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地震に備えて水や非常食を用意している。防災リュックも玄関に置いている。避難場所もなんとなく知っている。
ここまで準備している家庭は少なくないでしょう。
しかし、ここで一度考えてみてください。
もし今日、家族がリビングで過ごしているときに突然大きな揺れが始まったら、子供はすぐに自分の頭を守れるでしょうか。さらに、家族が学校、会社、買い物、習い事などで別々の場所にいる時間帯に地震が起きたら、どこへ避難し、どこで家族と合流するのか決めているでしょうか。
防災で大切なのは、防災用品を「持っている」ことだけではありません。実際に災害が起きた場面を想定し、身体を動かし、家の中を確認し、家族で話し合い、「そのときどうするのか」を具体的に決めておくことも重要です。
その入口として活用できるのが、シェイクアウト訓練です。
シェイクアウト訓練では、地震が発生したことを想定し、その場で身体を低くし、頭を守り、揺れが収まるまで安全を確保する基本的な行動を実践します。
そして、大人だけで行うのではなく、子供も含めて、家族みんなでやる。
家庭だけでなく、学校、会社、店舗、福祉施設などでも応用できる「実際に動いて確かめる防災」について、順番に詳しく見ていきましょう。
シェイクアウトとは?│実際に訓練をやってみよう
アメリカのカリフォルニアで地震研究機関等が2008年に提唱し、始まった新しい地震防災訓練の名称です。
『地震』そのものを意味する言葉ではなく、地震発生時に身を守る行動を実践する防災訓練の名称として使われています。
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大きな揺れが突然起きたときに慌てないよう、姿勢を低くし、頭や身体を守り、揺れが収まるまで安全を確保するという基本行動を実践します。学校や会社だけでなく、自宅や地域、さまざまな施設でも取り組むことができ、子供から大人まで一緒に参加できるのが特徴です。
一般的には、姿勢を低くする、頭や身体を守る、揺れが収まるまで安全を確保するという行動を実践します。
ここで大切なのは、説明を読んで「分かった」と終わらせないことです。
家族がそろっている日に、一度、本当にやってみてください。
頭で分かっていることと、実際にやってみることは全然違います。
「今、大きな地震が発生しました」
誰かがそう声をかけ、家族全員がその場で安全確保行動を取ってみるのです。
わずかな時間でも構いません。動いてみると意外と分からないことや戸惑うことが多くあります。
また実際にやってみると、意外なことに気づく可能性があります。
- 子供がどこへ行けばよいのか分からない。
- テーブルの下に物が置かれていて入れない。
- 家族全員が入れると思っていたテーブルが、実際には狭い。
- 身を守ろうとした場所のすぐ横に、大きなテレビがある。
- 頭上に照明器具がある。
- 後ろには食器棚がある。
- 寝室で試してみると、ベッドの近くに背の高い家具が置かれている。
こうした問題は、防災用品を買って保管しているだけでは見つけにくいものです。
だからこそ、シェイクアウト訓練を「危険な場所を発見する訓練」として活用することが重要です。
シェイクアウト訓練は、家庭だけで自主的に行うこともできますが、自治体や地域、学校、企業などが実施する訓練に参加する方法もあります。
「自分の住んでいる地域でも開催されているのかな?」と思ったら、一度確認してみましょう。
下記から確認できます。
📍 全国のシェイクアウト訓練・実施場所を探す
シェイクアウト訓練に参加しよう|日本シェイクアウト提唱会議
家族で参加するのはもちろん、学校や会社、地域のみんなで参加することも、防災について考えるきっかけになります。
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訓練に参加したら、家具・家電の固定、備蓄品の確認、自宅や施設内の危険箇所、避難経路、集合場所なども一緒に確認してみることも大切です。
「訓練する・確認する・家族で話し合う」までを一つの防災習慣にするのです。
訓練が終わったら、そのまま家族で室内を見回ってみる。
最初に確認したいのが、家具・家電の固定です。
本棚、タンス、食器棚、冷蔵庫、テレビなど、大きな家具や家電について、「固定している・していない」だけで判断するのではなく、実際に倒れたり動いたりした場合を想像します。
たとえば、大きな家具が玄関方向へ倒れた場合、避難経路を塞がないでしょうか。
寝室の家具がベッド側へ倒れる配置になっていないでしょうか。
子供部屋では、普段子供が座ったり寝たりしている場所の近くに背の高い家具がないでしょうか。
テレビについても同様です。
普段は安定して置かれているように見えても、地震では家具や家電が普段とは違う動きをする可能性があります。
棚の上にも注目してください。
重い箱、家電製品、ガラス製品、置物などを高い位置に置いている場合、転倒だけでなく落下についても考える必要があります。
ここで家族におすすめしたいのが、「自宅防災パトロール」です。
リビングだけでなく、寝室、子供部屋、キッチン、廊下、階段、玄関、洗面所などを順番に歩いていきます。
見るポイントは非常に単純です。
「今ここで大きく揺れたら、何が危ない?」
これを家族全員で考えます。
大人が一方的に危険箇所を説明するのではなく、子供にも探してもらいましょう。
「この棚、倒れてきたらどうなる?」
「この窓の近くにいたら?」
「玄関に物が落ちたら外へ出られる?」
このように質問しながら歩くだけでも、防災学習になります。

会社や店舗、学校、福祉施設などでも考え方は同じです。
従業員が普段仕事をしている場所だけを見るのではなく、出入口、廊下、階段、受付、休憩室、倉庫なども確認します。
利用者や来訪者がいる施設なら、初めて施設へ来た人でも安全な場所や避難方向が分かるのかという視点も必要です。
シェイクアウト訓練を行ったあとに、
「では、この場所は本当に安全だったのか?」
と確認する。
ここまで行うことで、短時間の訓練が、自宅や施設全体の防災対策を見直すきっかけになります。
地震が起きていない今だからこそ、家族みんなで「身を守る行動」を実際にやってみましょう。
いざというときに迷わず動けるよう、何も起きていない日を“備える日”にすることが大切なのです。
避難するときに持ち出したい避難グッズは?│家族みんなで確認!
地震などで自宅から避難することになった場合に備えて、すぐに持ち出せる非常持出品を準備しておきましょう。
避難グッズは、たくさん詰め込めばよいわけではありません。実際に背負って避難できる重さを意識しながら、自分や家族に必要な物を選ぶことが大切です。
基本的な避難グッズとして準備を検討したいのは、次のような物です。
| 種類 | 避難グッズ |
|---|---|
| 水・食料 | 飲料水、すぐに食べられる非常食 |
| 明かり | 懐中電灯、ヘッドライト |
| 電源 | モバイルバッテリー、充電ケーブル、予備電池 |
| 情報収集 | 携帯ラジオ |
| 衛生用品 | ウェットティッシュ、ティッシュ、マスク、歯みがき用品、生理用品 |
| トイレ | 携帯トイレ |
| 救急用品 | 救急セット、ばんそうこう、消毒用品など |
| 薬 | 普段使用している薬、お薬手帳など必要な情報 |
| 防寒・雨対策 | 防寒具、レインウェア、アルミブランケット |
| 身を守る物 | 軍手・手袋、履きやすい靴、必要に応じてヘルメットなど |
| 貴重品関係 | 現金、身分証明書など必要な物 |
| 情報 | 家族の連絡先を記載したメモ |
| その他 | タオル、ポリ袋、筆記用具など |
さらに、家族構成によって必要な避難グッズを増やしましょう。
乳幼児がいる家庭なら、ミルクや哺乳瓶、離乳食、おむつ、おしりふき、着替えなどが必要になる場合があります。
高齢者がいる家庭では、普段使用している薬や眼鏡、補聴器関連用品、介護用品など、その人が生活するうえで欠かせない物を確認しておきます。
ペットと避難することを想定している場合も、フード、水、リード、ケージやキャリーバッグ、トイレ用品など、ペットに必要な物を別に考えておきましょう。
そして避難グッズを準備したら、一度、防災リュックを実際に背負ってみることが重要です。
水や食料を次々に入れていくと、想像以上に重くなることがあります。「必要だから」と詰め込んでも、重すぎて避難時に持って歩けなければ実用的ではありません。
子供用の防災リュックを準備する場合も同じです。大人が持ったときの重さではなく、その子供自身が背負って歩けるかを実際に確認しておきましょう。
避難グッズは一度準備して終わりではありません。
水や食料の期限、電池、モバイルバッテリーの充電状態、薬、衣類のサイズなどを定期的に確認し、「今、このまま持ち出して使える状態か」という視点で見直しておくことが大切です。

家具・家電の固定から備蓄品まで総点検|避難訓練と防災学習を一緒にやろう
室内の安全を確認したら、次に行いたいのが備蓄品と非常持出品の確認です。
水、食料、懐中電灯、電池、携帯ラジオ、モバイルバッテリー、衛生用品、携帯トイレ、常備薬などを用意していても、何年も確認していなければ、必要なときに使えるとは限りません。
一度、保管している物を実際に出してみてください。
子供がいる家庭では、特に注意したいことがあります。
子供は成長します。
以前準備した衣類が小さくなっていることもありますし、乳幼児期に必要だった物と、成長してから必要になる物は変わります。
高齢者がいる家庭、ペットがいる家庭などでも必要な備えは異なります。
つまり備蓄品は、一度完成させて保管するものではなく、家族の変化に合わせて更新していくものと考えたほうが実用的です。
ここでも子供に参加してもらいましょう。
「これは何に使う物?」
「停電したらどれを使う?」
「水が出なくなったらどうする?」
大人が答えを教えるだけではなく、実際に防災用品を手に取りながら一緒に考えることで、防災学習になります。
備蓄品を確認したら、その流れで避難訓練もやってみます。
玄関まで移動して終了ではありません。
可能であれば、家族で実際の避難先まで歩いてみましょう。
普段歩き慣れている地域でも、「災害時の避難経路」という視点で歩くと見え方が変わります。
- 大きな塀の近くを通っていないでしょうか。
- 狭い道路はありませんか。
- 古い建物の近くを通る場所はないでしょうか。
- 夜間に停電した場合でも移動できそうでしょうか。
- 大雨の場合にも同じ道を使えるでしょうか。
- 小さな子供と一緒でも歩ける距離でしょうか。
- 高齢者や身体の不自由な家族がいる場合はどうでしょう。
さらに、避難訓練をするなら玄関から避難場所までの時間を実際に計ってみる方法もあります。
大人一人で歩いた時間ではなく、できれば普段一緒に避難すると考えられる家族で歩きます。
防災リュックも背負ってみましょう。
準備していた防災リュックが重すぎて長距離を歩けないと分かるかもしれません。
子供用に準備した荷物が、実際には子供自身では持てないことに気づく可能性もあります。
反対に、「これなら持って歩ける」という確認ができれば、それも大切な成果です。
さらに、自宅を出るところから考えてみます。
夜、家族が寝ている時間だったらどうでしょう。
停電していたら。
廊下に物が落ちていたら。
靴がすぐ履けなかったら。
玄関の近くに家具が倒れていたら。
実際の災害は、明るい昼間に家族全員が起きているときに発生するとは限りません。
そのため避難訓練では、「玄関から避難場所まで」だけでなく、寝ている場所から安全を確保し、必要な物を持って屋外へ出るまでも想像しておくと、より具体的な訓練になります。
学校や施設でも同じです。
いつも使用している出口が使えなかったらどうするのか。
廊下に物が倒れていたら別の経路はあるのか。
エレベーターを使わずに移動する必要がある状況ではどうするのか。
来訪者をどのように案内するのか。
こうした「いつも通りにいかない場合」を考えておくことが、実践的な防災学習につながります。
そして訓練後には、家族や参加者で必ず振り返ります。
うまくできたことだけでなく、
「困ったことは何だったか」
「危ないと思った場所はどこだったか」
「足りない物は何だったか」
「次回までに何を改善するか」
を確認します。
防災訓練は、失敗しないために行うものではありません。
むしろ、本当の災害が起きる前に失敗や不足を発見するために行うものと考えると、家庭でも取り組みやすくなります。

集合場所・避難場所まで家族全員で確認|子供も含めて「みんなでやる防災」にしよう
最後に確認したいのが、家族が離れ離れになった場合です。
家庭の防災訓練というと、自宅に家族全員がそろっている場面を想定しがちですが、実際にはそうとは限りません。
平日の昼間であれば、父親や母親は会社、子供は学校や保育施設、高齢の家族は自宅ということもあります。
休日でも、誰かが買い物へ行き、別の家族が習い事や仕事へ出ている可能性があります。
その状態で大きな災害が発生したらどうするのか。
ここまで家族で決めておきましょう。
まず、避難場所を家族全員が本当に知っているか確認します。
「近くの学校でしょう」
「いつもの公園じゃない?」
という曖昧な状態ではなく、自治体が公表している情報を確認し、自宅周辺でどこへ避難することになるのかを家族で調べます。
ここでは「避難場所」「避難所」などの言葉についても、自治体の防災マップや案内を見ながら確認しておくとよいでしょう。
そして重要なのが、家族の集合方法です。
災害発生直後、家族全員が一斉に自宅へ戻ろうとすることが適切とは限りません。
それぞれがいる場所の安全を確保し、その地域や施設から出される情報に従って行動することが基本になります。
そのうえで、
「連絡が取れなかった場合はどうするのか」
「どこを集合場所として考えるのか」
「子供は学校にいる場合どうするのか」
「迎えに行く人は誰なのか」
「自宅に戻れない場合はどうするのか」
といったことを、家族の生活に合わせて話し合っておきます。
子供にも確認してください。
「地震が起きたら、お父さんやお母さんを探して勝手に学校から出る」
という思い込みをしていないでしょうか。
学校や保育施設などにはそれぞれ災害時の対応や引き渡し方法があります。
家庭側も学校・施設のルールを確認し、子供にも年齢に合わせて「そのときどうするのか」を伝えておくことが大切です。
また、電話が必ずつながるとは限らないことも家族で話しておきましょう。
連絡が取れないだけで「何かあった」と決めつけず、事前に決めた方法に沿って行動できるようにしておくことが重要です。
こうした確認は、一度話し合ったら永久に終わりというものでもありません。
子供が進学すれば学校が変わります。
家族の勤務先が変わることもあります。
引っ越しをすれば避難場所も変わります。
高齢になれば、それまで歩けていた避難経路が負担になることもあります。
だからこそ、家庭の防災対策は定期的に見直す必要があります。

そこでBOSAI│いざというときの防災集から提案したいのが、家族みんなで行う「防災総点検の日」です。
やることは難しくありません。
- まずシェイクアウト訓練を行います。
- そのまま家具・家電の固定状態を確認します。
- 次に家の中を歩いて危険箇所を探します。
- 防災リュックを開き、備蓄品を確認します。
- 実際にリュックを背負います。
- 家族で屋外へ出て避難経路を歩きます。
- 避難場所を確認します。
- 自宅へ戻ったら、家族が離れ離れになった場合の集合方法や連絡方法を話し合います。
- 最後に、今日見つかった問題を書き出します。
これだけでも、
シェイクアウト訓練
→家具・家電の固定確認
→自宅・施設内の危険箇所確認
→備蓄品の確認
→避難訓練
→避難場所の確認
→集合方法の確認
→防災学習
という一連の防災行動がつながります。
そして、ぜひ子供にも役割を作ってあげてください。

危険な場所を探す係でも構いません。
懐中電灯が点灯するか確認する係でもよいでしょう。
非常食の期限を一緒に確認しても構いません。
防災リュックを背負ってみたり、避難場所まで一緒に歩いたりするだけでも立派な参加です。
防災を「大人が準備して子供を守るもの」だけにしてしまうのではなく、子供自身も年齢に応じて考え、行動できるようにしていくことが大切です。
災害がいつ起こるかは分かりません。
だからこそ、特別な日だけ防災を考えるのではなく、ときどき家族みんなで身体を動かして確認してみてください。
こうしたことが一つでも見つかったなら、その訓練には意味があります。
見つけた問題を改善し、しばらく経ったらもう一度やってみる。
その積み重ねが、家庭や施設の防災力を少しずつ高めていきます。
「知っている防災」から、「実際にやってみる防災」へ。
シェイクアウト訓練をきっかけに、家具・家電の固定、避難訓練、防災学習、備蓄品、自宅や施設内の危険箇所、集合場所・避難場所まで、もう一度確認してみませんか。
大人だけではなく、子供も含めて、みんなでやってみる。
いざというときに一人ひとりが行動するために、まずは家族がそろう日に「今、地震が起きたらどうする?」という一言から始めてみましょう。
参考サイト・参考情報
シェイクアウト訓練
日本シェイクアウト提唱会議|The Great Japan ShakeOut
地震・家庭の防災対策
内閣府|あなたのお部屋は安全ですか? お部屋の総点検で「安全空間」を
家具・家電の固定
備蓄・非常持出品・避難
家族みんなで備えてみませんか?
家具・家電が倒れないか確認する。
防災リュックを開いて、避難グッズを点検する。
そして、家族みんなで避難場所まで歩いてみる。
防災は、特別な日にだけ行うものではありません。
何も起きていない今日だからこそ、 家族で一つずつ確認しておくことが大切です。
✓ 家具・家電の固定
✓ 避難グッズ・備蓄品の確認
✓ 避難場所・避難経路の確認
✓ 家族の集合場所・連絡方法の確認

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