
令和8年熊本地震から3週間が過ぎました。
しかし、避難生活や断水、井戸の故障、道路の寸断など、暮らしはまだ元には戻っていません。
ニュースが少なくなった今だからこそ、2026年8月19日時点の被災地で何が起きているのかを追います。

防災集
地震から3週間。ニュースで見かける機会は減りましたが、熊本の復旧はまだ終わっていません。
避難者3,020人という数字の裏には、車中泊など統計に表れにくい避難生活を続ける方々もいます。
「もう大丈夫」ではなく、今だからこそ知ってほしい熊本の現状をお知らせします。
熊本を忘れないために――ぜひ最後まで読んで、できれば身近な方にも伝えていただけたらと思います。また、下記に「被災者生活再建支援金のご案内」を記しています。ぜひ参考にされてください。
また、応援メッセージも受け付けております。「がんばって」「忘れていません」「ずっと応援しています」――短い一言でも、その想いには力があります。
熊本への応援メッセージは、この記事の一番下にあるメッセージ欄からお送りいただけます。
全国から熊本へ。あたたかい言葉を、一緒につないでいきませんか。
被災者生活再建支援金のご案内
熊本県では、令和8年熊本地震について、被災者生活再建支援法施行令第1条第3号に該当することにより、熊本県全域に被災者生活再建支援法を適用することが決まりました。
熊本県内全ての市町村において、その居住する住宅が全壊(全焼・全流失)した世帯、住宅が半壊し又は敷地等に被害が生じ、やむなく解体した世帯、大規模半壊世帯及び中規模半壊世帯が被災者生活再建支援金の支給対象となります。
▶詳しくはこちら

では、早速始めていきます。
熊本地震から3週間|避難者3,020人、その数字だけでは分からない現実
2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震から、3週間が過ぎました。
発生直後は連日のように報道されていた熊本の被災地も、時間がたつにつれて全国ニュースで目にする機会が少なくなっています。
けれど、ニュースが減ったことと、被災地が元に戻ったことは同じではありません。
8月18日時点で確認されている避難者は3,020人。
さらに今回、私が特に気になったのが、この3,020人という数字には、車中泊や自宅周辺で軒先避難を続けている人たちが含まれていないという点です。
熊本県では、こうした「見えない避難者」の実態を調べています。
地震発生後に設置した公式ページで、被害情報、災害対策本部会議、生活情報、注意喚起、防災情報などへの入口になっています。県も「適宜、情報を追加」としています。
こちらは人的被害・住宅被害・避難状況などの数字を確認する際の情報としてご覧いただけます。
▶熊本県│令和8年熊本地震に係る被害情報(8月18日14:00現在)
つまり、公表されている避難者数だけを見て、
「3,000人くらいまで減ったんだ」
「少しずつ落ち着いてきたんだ」
と判断するのは、まだ早いのです。
実際には避難所へ行かず、壊れた自宅の近くで生活している人もいます。
車の中で寝泊まりしている人もいます。
昼間は自宅の片付けを行い、夜になると別の場所へ移動するという生活を続けている人もいるでしょう。
こうした人たちは、避難所の名簿だけでは十分に把握できません。
住宅被害は3万2,000棟以上

今回の地震では、住宅被害も極めて大きくなっています。
8月19日朝の報道によると、住宅被害は3万2,000棟以上にのぼり、そのうち全壊は1,482棟とされています。
数字だけを見ると、あまりにも大きくて実感しにくいかもしれません。
例えば、自宅が倒壊しなかったとしても、壁に大きな亀裂が入ったり、屋根が壊れたり、室内の家具が倒れたりすれば、以前と同じ生活をすぐ再開できるとは限りません。
さらに修理業者への依頼、り災証明書の申請、保険会社への連絡、家財の片付け、災害ごみの搬出などが重なります。
地震発生直後とは違う意味で、3週間たったころから疲れが一気に出てくる人もいます。
ここは、被災地の外にいる私たちも知っておきたいところです。
南九州自動車道も完全復旧ではない
道路については、少しずつ前へ進んでいます。
南九州自動車道では、八代南インターチェンジから田浦インターチェンジまでの通行止めが、8月18日午前6時に解除されました。
これは復旧に向けた大きな一歩です。
一方、被害の大きかった八代ジャンクションから八代南インターチェンジまでの区間については、8月19日朝の時点でも復旧のめどが立っていません。
「高速道路が開通した」という情報だけを見ると、全面的に元へ戻ったように感じてしまいます。
しかし実際には、区間ごとに状況が違います。
被災地へ支援やボランティアで向かう場合も、普段利用していたルートがそのまま使えるとは限りません。
出発前には道路管理者や自治体が出している最新の交通情報を確認してください。
国土交通省も、地震で被害を受けた宇城・八代地域の国道3号について補修を進めており、8月4日から14日には合計15か所で集中的な舗装補修工事を実施しました。
さらに8月末からの新学期を前に、宇城市松橋町から八代市二見までの国道3号で、通学路となる歩道部分の補修も進められています。
道路が通れるようになること。
子どもたちが学校へ歩いて行けるようになること。
水が使えるようになること。
一つひとつは小さく見えても、それが被災地にとっての「日常を取り戻す」ということなのだと思います。
熊本地震で今も続く「水」の問題|八代市では井戸被害も生活再建の壁に
今回、もう一つ見落としてはいけないのが水の問題です。
国は8月中の断水解消を目指していますが、熊本では上水道だけを見ていても被害の全体像は分かりません。
特に八代市では、地下水を生活用水として利用してきた家庭があります。
地震によって井戸そのものが壊れたり、水が濁ったり、ポンプが故障したりすれば、水道の復旧状況とは別に「水が使えない家」が残ります。
八代市では、上水道の被災状況や給水、生活用水などについて、地震関連情報ページで案内を続けています。
ここが今回の地震で見えてきた大きな課題の一つです。
「断水解消=全員が水を使える」ではない
例えば、地域の上水道が復旧したというニュースが流れたとします。
水道を利用している家庭なら、それは生活再建に向けた大きな前進です。
ところが、普段から井戸水で生活している家庭では事情が違います。
井戸の配管やポンプが地震で壊れていれば、周辺の水道が復旧しても、その家の水は戻りません。
行政が発表する「断水世帯数」だけでは拾い切れない生活被害が、ここにもあります。
八代市では現在、上水道、給水、井戸水、災害ごみ、り災証明など、それぞれ専用の問い合わせ先を案内しています。
困ったときに全部を一人で調べるより、まず自治体の地震関連情報を確認し、自分の困りごとに合った窓口へ相談する方が早く解決できる場合があります。
井戸が使えなくなった人は「り災証明」を確認してほしい
ここは、今回の記事でぜひ知っていただきたい情報です。
八代市では8月13日から、井戸に関するり災証明・被災証明の扱いが変更されています。
地震によって日常生活で使用していた井戸水が利用できなくなった場合、これまでは「被災証明」の対象としていました。
現在は、日常生活に利用する井戸については住家の被害と一体として扱い、「り災証明」の対象へ変更されています。
すでに被災証明書を受け取った人でも、り災証明へ変更を希望する場合は再申請できます。
オンライン申請にも対応しています。
一方、すでにり災証明を申請している場合は、新たな手続きは不要と八代市が案内しています。

井戸だけが被害を受けた場合については、被害区分は「準半壊に至らない(一部損壊)」となります。
これは知らなければ、そのまま手続きを終えてしまう可能性がある情報です。
地震で井戸が壊れた、ポンプが動かない、水が出なくなったという八代市の方は、一度確認してみてください。
復旧作業中の熱中症にも注意してほしい
そして、もう一つ心配なのが暑さです。
8月19日現在、西日本では厳しい残暑が続く見込みとなっており、熊本の被災地でも復旧作業中の熱中症に警戒が求められています。
家の片付けをしていると、
「あと少しだから」
「ここまで終わらせてから休もう」
となりがちです。
しかし、災害後の片付けは通常の屋外作業とは違います。
重い家具を運び、災害ごみを分別し、ほこりの中でマスクを着けながら作業することもあります。
例えば30分作業したら一度日陰へ移動し、水分を取る。
一人で作業せず、家族や近所の人と声を掛け合う。
体調がおかしいと感じたら「片付けを終えてから」ではなく、その場で作業をやめる。
家を元に戻したい気持ちは分かります。
それでも、復旧を急ぐために自分が倒れてしまっては意味がありません。
地震から3週間。
これからの熊本では「助かった命を、復旧作業中に守る」という防災も始まっています。
まとめ|熊本地震は「3週間たったから終わり」ではありません
令和8年熊本地震から3週間が過ぎました。
8月18日時点で避難者は3,020人ですが、この数字には車中泊や軒先避難を続ける人が含まれておらず、「見えない避難者」の調査も進められています。
住宅被害は3万2,000棟以上にのぼり、道路、断水、井戸、住まいの再建など、暮らしの課題はまだ残されています。
一方で、道路の通行止め解除や補修工事、り災証明の受付など、少しずつ前へ進んでいるのも事実です。
災害は、ニュースから消えた日に終わるわけではありません。
むしろ報道が少なくなってから、生活再建という長い時間が始まります。
被災地にいる方は、どうか一人で抱え込まないでください。
そして被災地の外にいる私たちも、「もう大丈夫だろう」と決めつけず、熊本の今をもう少し見続けてほしいと思います。
この記事を家族や知人に共有することも、一つの支援になります。
熊本は、今も復旧の途中です。



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