
「2025年7月に大地震が来るらしい。」
そんな話を家族や職場、SNSで耳にした人も多かったのではないでしょうか。
私自身も、ニュースではなくSNSでこの話題を見かけ、「本当にそんなことが起きるのだろうか」と気になって調べた一人です。
結果として、大きな災害は予言どおりには起きませんでした。
しかし、この出来事は「予言を信じるかどうか」だけで終わらせるには少しもったいない出来事だったようにも感じています。
今回は、たつき諒さんの地震予言がどのように広まり、実際はどうだったのか、
そして私たちが本当に考えておきたい防災について、できるだけ分かりやすくお伝えします。
たつき諒さんの地震予言とは?多くの人が注目した理由
2025年が近づくにつれ、SNSや動画サイトで「2025年7月に日本で大災害が起きる」という話題を目にする機会が一気に増えました。そのきっかけとなったのが、漫画家・たつき諒さんの作品『私が見た未来 完全版』です。
この本には、作者が見た夢をもとにした内容が描かれており、「2025年7月に本当の大災難がやってくる」という一文が掲載されていました。この表現だけを見ると、不安になる人がいても不思議ではありません。
ところが、SNSでは内容が少しずつ変化していきます。
「7月5日に巨大地震が起きる」
「午前4時18分に津波が来る」
「南海トラフ地震が発生する」
このような具体的な日時や災害の内容まで付け加えられ、あたかも事実であるかのように拡散されました。しかし、実際にはこれらの細かな日時や内容は、書籍そのものに明確に書かれていたわけではありません。
つまり、本の内容と、SNSで広まった情報には違いがあったのです。
実際に2025年7月5日を迎えると、多くの人が緊張した様子でその日を過ごしました。スーパーでは保存食や飲料水を買い足す人も見られ、防災グッズの売れ行きが伸びたという報道もありました。
そして、その日は過ぎました。
日本全国を襲うような予言どおりの巨大地震や巨大津波は発生していません。
もちろん、日本ではその後も各地で地震は発生しています。しかし、それは日本が世界有数の地震多発国だからであり、「予言が当たった」ということとは別に考える必要があります。
ここで知っておきたいのが、現在の地震学では「○月○日の○時に大地震が起きる」といった日時を特定する予知はできないということです。
気象庁や専門家も繰り返し説明していますが、長期的な発生確率を示すことはできても、特定の日を断定する技術はまだ存在していません。
つまり、「この日に必ず起きる」という情報を見かけたときは、一度立ち止まって情報源を確認することが大切です。
予言は外れたのに話題が終わらない理由|防災を見直すきっかけになった人も多かった
「結局、何も起きなかったね。」
そう感じた人も多い一方で、「防災グッズを見直した」「家族と避難場所を確認した」という声も数多く見られました。予言そのものが現実にならなかったとしても、防災への意識が高まったことは、多くの家庭にとって大きな変化だったのではないでしょうか。
私の周りでも、「非常食の賞味期限を確認した」「防災リュックを押し入れから出して中身を入れ替えた」という人がいました。普段は防災について話すことがほとんどない家庭でも、この話題をきっかけに自然と会話が生まれたそうです。
例えば、ある家庭では「もし夜中に地震が起きたら、どこで待ち合わせをする?」という話になり、小学生の子どもも交えて避難場所を確認したそうです。大人だけで決めて終わりではなく、子ども自身が避難場所を知る機会になったことは、大きな収穫だったと言います。
一方で、予言を過度に信じてしまうことには注意も必要です。
SNSでは、「日付がずれただけ」「2026年こそ本当だ」「まだ予言は終わっていない」といった投稿も見られます。しかし、こうした情報には根拠が示されていないものも少なくありません。不安をあおる内容ほど拡散されやすいため、情報を見る側にも冷静さが求められます。
実際、日本では年間およそ2,000回を超える震度1以上の地震が観測されています。そのため、「地震が起きた=予言が当たった」と結び付けることはできません。日本はもともと地震が多い国であり、小さな揺れは日常的に発生しています。
だからこそ、本当に意識したいのは「予言が当たるか外れるか」ではなく、「今日地震が起きても困らない準備ができているか」という視点です。
もし、まだ防災リュックを用意していないのであれば、この機会に一度中身を考えてみてください。
最低でも次のようなものは備えておくと安心です。
また、家族が別々の場所にいる時間帯を想定し、「連絡が取れないときはどこへ向かうか」を決めておくだけでも、災害時の不安は大きく減ります。
災害は予告なしに起こることがほとんどです。だからこそ、何かの話題がきっかけになって備えを見直せたのであれば、その時間は決して無駄ではありません。
地震予言を見かけたときに私たちが冷静に判断するためのポイント
SNSでは、地震や災害に関する情報が短時間で一気に広がります。その中には役立つ情報もありますが、根拠がはっきりしないまま拡散されるものも少なくありません。
今回のたつき諒さんの話題でも、「○月○日に巨大地震が起きる」「日本が壊滅する」といった投稿が数多く見られました。しかし、その多くは書籍の内容ではなく、第三者による解釈や憶測が加えられた情報でした。
実際に災害が近づくと、人は「もしかしたら本当かもしれない」という気持ちになりやすいものです。不安なときほど冷静な判断が難しくなるため、情報源を確認する習慣を持つことが大切です。
例えば、SNSで「大地震が数時間以内に来る」という投稿を見つけたとしても、その発信者が誰なのか、どのような根拠が示されているのかを確認してみてください。公的機関や専門家の発表ではなく、個人の推測だけで書かれているケースも珍しくありません。
一方で、気象庁や自治体が発信する情報は、観測データや専門的な分析に基づいています。地震そのものを日時まで予測することは現在の科学ではできませんが、津波警報や緊急地震速報、大雨や台風の警報などは、命を守るための大切な情報です。
つまり、信頼できる情報と、うわさや憶測を見分ける力も、防災の一つと言えるのではないでしょうか。
私自身も、今回の話題をきっかけに、防災アプリの通知設定を見直し、自治体のハザードマップを改めて確認しました。特別なことをしたわけではありませんが、「正しい情報を受け取れる環境を整える」ことは、日頃からできる防災対策の一つだと実感しています。
予言が当たるかどうかに気持ちを向け続けるよりも、信頼できる情報を受け取り、落ち着いて行動できる準備をしておくことが、家族や自分の命を守ることにつながります。
大地震はいつ起きるの?現時点で分かっている最新情報と今後の可能性
「結局、大きな地震はいつ起きるの?」
たつき諒さんの予言が話題になったあと、多くの人が気になったのは、この疑問ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、現在の科学では「○月○日」「○時○分」に大地震が発生すると予測することはできません。 気象庁も「日時や場所を特定した地震予知は実用化されていない」と繰り返し説明しています。
ただし、「将来、大地震が起こる可能性が高い地域」については、長年の観測データや地質調査から評価が進められています。
特に注目されているのが南海トラフ巨大地震です。
政府の地震調査委員会では、南海トラフ沿いでは今後30年以内に約80%程度の確率でマグニチュード8~9クラスの巨大地震が発生すると評価しています。この数字は、「30年以内」という長い期間での発生確率であり、「近いうちに必ず起きる」という意味ではありません。
また、首都圏では首都直下地震への備えも進められています。東京都や国は、大規模な揺れが都市機能に大きな影響を与える可能性を想定し、建物の耐震化や帰宅困難者対策などを進めています。
さらに、日本列島では毎日のように地震が観測されています。震度1以上の地震だけでも年間2,000回を超える年があり、日本は世界でも有数の地震活動が活発な国です。
だからこそ、「最近地震が多いから明日大地震が来る」「しばらく静かだから安心」という判断はできません。
一方で、気象庁が発表する南海トラフ地震臨時情報は、「巨大地震との関連を調査する必要がある現象が観測された」場合に発表される情報です。これは避難を指示するものではなく、普段よりも防災意識を高め、家具の固定や備蓄の確認、避難経路の見直しなどを行うための情報として位置付けられています。
つまり、私たちが本当に気に掛けるべきなのは、「予言が当たる日」ではありません。
「今日の夜に地震が起きても家族を守れる準備ができているか」という視点です。
災害は予定表どおりには起こりません。しかし、備えは今日から始められます。飲料水や非常食の確認、防災リュックの点検、家族との連絡方法の確認など、小さな行動の積み重ねが、いざというときの安心につながります。
まとめ
たつき諒さんの地震予言は、日本中で大きな話題となりました。しかし、予言されたような大災害は発生せず、「本当に予言は当たるのか」という議論だけが一人歩きした印象もあります。
一方で、この出来事をきっかけに、防災リュックを準備した人や、非常食を買い足した人、家族で避難場所を確認した人が増えたことも事実です。もし今回の話題が、防災について考える時間をつくってくれたのであれば、それは決して無駄ではなかったのかもしれません。
現在の科学では、大地震が「いつ、どこで起こるのか」を日時まで特定することはできません。だからこそ、SNSやインターネット上の情報をうのみにするのではなく、気象庁や自治体など信頼できる情報を確認する習慣を身につけることが大切です。
日本は世界でも有数の地震大国です。南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、大規模な地震への備えは国や自治体でも進められていますが、自分や家族を守れるのは、日頃からの備えにほかなりません。
「まだ準備していないから大丈夫」ではなく、「今日起きても困らないだろうか」という視点で身の回りを見直してみてください。飲料水や非常食の確認、家具の固定、避難場所や家族との連絡方法の確認など、今すぐできることは意外とたくさんあります。
予言が当たるかどうかを心配し続けるよりも、いつ起きても落ち着いて行動できる準備をしておくこと。その積み重ねこそが、自分自身や大切な家族の命を守る、一番確かな防災につながるのではないでしょうか。
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