
2026年11月2日、日本の防災行政に新たな組織「防災庁」が誕生しましたが、発足当日に国民へ示された緊急要請を詳しく確認すると、国が最初に呼びかけているのは最新の防災設備を購入することでも、新しい避難システムを導入することでもなく、私たちが普段生活している住宅の耐震性を確かめ、本棚やタンスなどの家具を適切に固定するという、非常に身近な対策であることが分かります。
なぜ、新しい行政機関が発足した歴史的な日に、家庭の家具や住宅の安全性がこれほど重視されたのでしょうか。
その背景には、阪神・淡路大震災で明らかになった家具の転倒・落下による負傷、能登半島地震で深刻化した道路の寸断と救援物資の輸送問題、そして大規模災害では行政の支援がすべての家庭へ直ちに届くとは限らないという現実があり、今回の緊急要請は、国の防災体制を強化するだけでは十分ではないことを、改めて国民一人ひとりに伝える内容となっています。
この記事では、防災庁の発足に至る経緯と公式発表の内容を確認したうえで、過去の大災害から得られた教訓を具体的に振り返りながら、住宅の耐震化、家具の固定、飲料水や非常食の備蓄、携帯用トイレの準備、避難場所の確認など、家庭で取り組める防災対策について特に詳しく解説したいと思います。
なぜ2026年11月2日に防災庁が発足したのか?過去の災害で見えた行政の限界と、全国民への緊急要請に込められた意味
2026年11月2日、政府は新たな行政機関である防災庁を発足させ、これまで関係省庁や自治体がそれぞれ担ってきた防災対策を、災害が発生する前の備えから発災直後の対応、避難生活の支援、復旧・復興まで一体的に進めるための体制づくりに踏み出しました。
同日、細野豪志防災大臣の名前で国民に向けて発出された「事前防災徹底のための緊急要請」では、住宅の耐震化と家具の固定、水や食料、携帯用トイレの備蓄、ハザードマップによる危険箇所の確認など、災害が発生する前に実施すべき対策が具体的に示されています。
新しい行政機関ができたと聞けば、救助活動や物資の輸送、被災者支援などが今まで以上に充実することを期待する方も多いでしょうが、どれほど国の体制が強化されても、地震が発生した瞬間に倒れてくる家具を行政が支えることはできず、住宅の倒壊や室内での負傷を防ぐためには、平常時から家庭で対策を進めておく必要があります。
大規模災害では、道路の損壊や通信障害、停電、断水などが同時に発生する可能性があり、救援物資が十分に確保されていたとしても、それを必要とする家庭や避難所へ直ちに届けられるとは限らないため、国による支援体制の整備と家庭での事前準備は、どちらか一方だけを進めればよいという関係ではありません。
防災庁の構想は、2026年11月に突然生まれたものではありません。
防災庁の設置に向けた準備は、2024年11月に内閣官房へ防災庁設置準備室が設けられたことから本格化し、翌2025年1月30日には防災分野の専門家20人で構成される防災庁設置準備アドバイザー会議が発足するなど、過去の災害で明らかになった課題を踏まえながら、組織の役割や必要な権限について検討が進められてきました。
2025年6月4日にはアドバイザー会議の報告書が公表され、同年12月26日には「防災立国の推進に向けた基本方針」が閣議決定されるなど、制度面での準備も段階的に進められました。
さらに、2026年7月17日に防災庁設置法が公布され、9月30日には施行期日を定める政令や組織令が公布されたことによって、新しい行政機関として発足するための法的な枠組みが整えられ、11月2日の正式発足へとつながっています。
| 時期 | 防災庁設置に向けた主な動き |
|---|---|
| 2024年11月 | 内閣官房に防災庁設置準備室を設置 |
| 2025年1月30日 | 防災庁設置準備アドバイザー会議を設置 |
| 2025年6月4日 | アドバイザー会議の報告書を公表 |
| 2025年12月26日 | 防災立国の推進に向けた基本方針を閣議決定 |
| 2026年7月17日 | 防災庁設置法を公布 |
| 2026年9月30日 | 施行期日を定める政令・組織令を公布 |
| 2026年11月2日 | 防災庁が発足し、緊急要請を発出 |
こうした経緯から読み取れるのは、防災庁の設置が、災害が発生した後の救助活動を強化することだけを目的としているのではなく、住宅や公共施設の安全性を高め、避難生活の環境を改善し、被害の拡大を未然に防ぐ「事前防災」を社会全体で推進するための取り組みでもあるということです。
2024年の能登半島地震では、救援物資があっても、それを被災者へ届けること自体が大きな課題となりました。
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、道路の損壊や土砂崩れなどによって被災地域への移動が困難となり、救助活動や物資の輸送に影響が生じましたが、特に道路が限られている地域では、主要な交通路が通行できなくなることで、被災地の外から人員や物資を送り込むことが難しくなるという問題が浮き彫りになりました。
また、全国から応援職員や支援団体が集まったとしても、現地で活動するための宿泊場所や食事、トイレ、燃料などを確保できなければ、長期間にわたって支援活動を継続することは難しく、単に人員を派遣するだけでは十分な災害対応につながらないことも、政府の検証資料などで課題として取り上げられています。
例えば、ある避難所で飲料水が不足した場合、国や自治体が必要な量の水を調達できたとしても、道路が寸断されていれば輸送車両は目的地へ到着できず、地域の集積拠点まで物資が届いた場合でも、そこから各避難所へ運ぶ人員や車両が不足していれば、実際に避難している人の手元へ届けるまでには時間がかかります。
このように、大規模災害における物資支援は、必要な商品を購入するだけで完結するものではなく、輸送経路の確保、保管場所の整備、荷下ろしや仕分けを担当する人員の配置、各避難所への配送方法など、複数の条件がそろって初めて機能する仕組みであるため、災害発生前から関係機関が役割を確認し、実際に対応できる体制を整えておかなければなりません。
防災庁に期待されているのは、こうした複雑な災害対応の全体を見渡す司令塔としての役割です。
大規模災害が発生すると、道路、電力、通信、医療、福祉、物流、住宅、教育など、生活を支えるさまざまな分野で問題が同時に発生しますが、これらは互いに関係しているため、一つの行政機関だけで対応を完結させることは容易ではありません。
例えば、病院に非常用発電機が設置されていても、停電が長期化した際に燃料を補給できなければ医療機器の稼働に影響が生じる可能性があり、その燃料を届けるためには道路の通行状況や輸送車両の確保が必要となるなど、医療分野の問題を解決するためにも、交通や物流を担当する機関との連携が欠かせません。
防災庁は、こうした複数の分野にまたがる課題について、関係省庁や自治体との連携を進め、必要な施策を調整する役割を担うことになりますが、新しい組織が発足したという事実だけで、災害現場の問題が直ちに解消されるわけではないため、今後は具体的な施策の実施状況や訓練の成果、自治体との連携がどの程度進むかを継続的に確認していく必要があります。
今回の緊急要請では、国民だけでなく、自治体や各府省庁にも事前防災の徹底が求められています。
国民向けの要請では、住宅の耐震診断や耐震化、家具の固定、水・食料・携帯用トイレなどの備蓄、ハザードマップを利用した災害リスクの確認、非常持ち出し品の準備、防災訓練への参加という5つの項目が示されており、いずれも災害発生後に初めて取り組むのでは間に合わない可能性があるものばかりです。
| 国民向けの要請 | 具体的な内容 |
|---|---|
| ① 住宅と家具の安全 | 耐震診断、耐震化、家具の固定 |
| ② 備蓄 | 水、食料、携帯用トイレなど |
| ③ 災害リスクの把握 | ハザードマップ、避難場所、避難経路 |
| ④ 避難の準備 | 非常持ち出し品 |
| ⑤ 地域との連携 | 防災訓練への参加 |
一方、自治体向けの要請では、防災人材の育成、外部からの支援を受け入れる体制の整備、避難生活環境の改善、災害協定の実効性確保、個別避難計画の作成など、家庭だけでは対応できない課題についても点検が求められており、災害に強い社会を実現するためには、国、自治体、企業、地域住民がそれぞれの立場で準備を進める必要があることが分かります。
特に、避難所の生活環境については、トイレ、キッチン、ベッド、バスを意味する「TKBB」という考え方が重視されており、単に雨風をしのげる場所を確保するだけでなく、清潔なトイレを利用できること、必要な食事を取れること、身体への負担が少ない環境で眠れること、入浴や身体の清潔を保てることなど、避難した人が健康を維持しながら生活を続けられる環境を整えることが重要になります。
例えば、避難所でトイレが不足したり清掃が行き届かなかったりすると、利用をためらって水分摂取を控える人が出てくる可能性があり、脱水などの健康上の問題につながるおそれもあるため、避難所のトイレ対策は単なる設備の問題ではなく、避難者の健康と尊厳を守るための重要な課題として考えなければなりません。
さらに、高齢者や障害のある方、乳幼児、妊産婦、持病のある方などは必要とする支援が異なるため、医療機器を使用する人の電源確保、車いすを利用する人が移動しやすい通路やトイレの整備、乳児の授乳やミルクの準備ができる場所の確保など、避難する人の状況に応じた具体的な対策も欠かせません。
防災庁の発足は、行政の組織が変わるという出来事にとどまらず、災害が起きる前に何を準備しておくべきかを、社会全体で改めて考える機会でもあります。
そして、今回の国民向け緊急要請で最初に示されたのが、住宅の耐震化と家具の固定でした。
なぜ、飲料水や非常食の備蓄よりも先に、住宅と家具の安全性が取り上げられているのでしょうか。
その理由を理解するためには、阪神・淡路大震災などで実際に発生した住宅内部の被害を確認し、建物が倒壊しなかった場合でも、家具や家電が人の命を脅かす危険があることを知る必要があります。
なぜ緊急要請の最初に「家具固定・住宅の耐震化」が挙げられたのか?阪神・淡路大震災の46%という数字が教える室内の危険
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、多くの住宅や建物が倒壊し、甚大な人的被害が発生しましたが、当時の住宅内部の被害状況を詳しく調べると、建物そのものが倒壊した場合だけでなく、家具や家電の転倒、落下、移動によって室内にいた人が負傷するという、普段の暮らしでは見過ごされがちな危険が明らかになっています。
総務省消防庁が紹介している日本建築学会の「阪神淡路大震災住宅内部被害調査報告書」に基づく資料では、住宅内部で発生したけがの原因のうち、家具などの転倒や落下によるものが46%、散乱したガラスなどによるものが29%と示されており、地震による人的被害を減らすためには、住宅の耐震性だけでなく、室内に置かれている家具や収納物の安全性についても考える必要があることが分かります。
ただし、この46%という数字は、阪神・淡路大震災で負傷したすべての人の46%が家具の転倒によってけがをしたという意味ではなく、住宅内部の被害を対象とした調査に基づく割合であるため、調査対象や集計条件を超えて一般化しないことが重要です。
それでも、家具や室内の物が人を傷つける危険性を具体的に示す資料として、この調査結果は大きな意味を持っています。
さらに、消防庁の別の解説資料では、阪神・淡路大震災で震度7を観測した地域において、住宅の全壊や半壊を免れたにもかかわらず、約6割の部屋で家具の転倒や室内の散乱が確認されたという調査結果も紹介されており、建物が大きく壊れなかった場合でも、室内にいる人の安全が確保されるとは限らないことを示しています。
例えば、ご自宅の寝室に高さ180cmほどの本棚が置かれている場合、普段は壁際に設置されていて簡単には動かないように見えるかもしれませんが、強い地震によって本棚が前方へ倒れれば、ベッドの位置によっては眠っている人の身体を直撃する可能性があり、さらに棚に収納されていた本や雑貨が飛び出すことで、家具そのものが倒れなかった場合にも負傷する危険があります。
このような被害を防ぐためには、家具が倒れるかどうかだけを考えるのではなく、倒れたときに人がいる場所へ届くか、避難経路をふさがないか、収納物が飛び出した場合にどのような被害が発生するかまで、家具の配置と室内の使い方を合わせて確認する必要があります。
家具は、前方へ倒れるだけでなく、滑ったり移動したりする場合もあります。
地震の揺れによって家具が移動する現象は、背の高い本棚やタンスだけに限られるものではなく、冷蔵庫やテレビ台などの大型家電・家具でも発生する可能性があり、重量があるため普段は簡単に動かない物であっても、強い揺れが加わった場合には、設置状況や床材、家具の形状などによって予想外の方向へ移動することがあります。
特に、キッチンの出入り口付近に冷蔵庫が設置されている場合や、玄関へ続く通路に背の高い収納家具が置かれている場合には、家具の転倒や移動によって避難経路がふさがれる可能性があるため、固定器具を取り付けることに加えて、家具そのものの配置を見直すことも重要な対策となります。
また、夜間に地震が発生して停電した場合には、床に散乱したガラスや食器、倒れた家具などを暗い室内で避けながら移動しなければならず、足元が見えにくい状況では、けがをしたり避難が遅れたりする危険が高まることから、寝室や廊下、玄関までの動線を優先して安全確認を進めることが考えられます。
例えば、子どもが眠るベッドのすぐ横に大きな収納棚がある場合、棚を壁へ固定する方法もありますが、家具をベッドから離れた場所へ移動できるのであれば、そもそも倒れてきた家具が身体へ届きにくい配置に変更することも検討する価値があり、固定器具の設置だけに頼らない複数の対策を組み合わせることが大切です。
住宅そのものの耐震性も、家具固定とは別に確認する必要があります。
今回の緊急要請では、昭和56年以前に建てられた住宅について耐震診断を行うよう呼びかけていますが、これは1981年6月1日に建築基準法に基づく耐震基準が大きく見直されたことと関係しており、住宅の安全性を確認する際には、建築年だけでなく建築確認の時期や建物の構造、過去の増改築の状況なども重要な判断材料となります。
ただし、1981年以前に建てられた住宅がすべて危険で、1981年以降の住宅であれば必ず安全というわけではなく、古い住宅でも適切な耐震改修が実施されている場合がある一方、比較的新しい住宅でも建物の劣化や増改築の内容、施工状況などによって確認が必要になることがあります。
また、木造住宅については2000年の建築基準の見直しも重要な節目となっているため、建築年だけで安全性を判断するのではなく、住宅の設計図書や建築確認関係の書類を確認し、必要に応じて専門家による耐震診断を受けることが望まれます。
耐震診断では、建物の壁の配置や接合部分、基礎の状態、劣化状況など、住宅が地震の揺れにどの程度耐えられるかを専門的に評価しますが、外観に目立ったひび割れがないことだけで十分な耐震性能があるとは判断できず、住宅の構造を理解した専門家による確認が重要になります。
住宅の耐震性に不安がある場合には、まず自治体の住宅・建築担当窓口などへ相談し、耐震診断や耐震改修に利用できる補助制度があるかを確認するとともに、補助対象となる住宅の条件、申請期間、補助額、工事着手前の申請が必要かどうかなどを調べておくことで、費用面を含めた具体的な計画を立てやすくなります。
住宅全体の耐震改修が難しい場合には、寝室など一部の空間の安全性を高める方法も検討できます。
今回の緊急要請では、耐震改修の費用負担が大きい場合について、寝室やリビングなど住宅の一部だけでも安全な空間を確保することが選択肢として示されていますが、部分的な補強を行ったからといって住宅全体の倒壊を防げるわけではないため、対策の効果や制約を十分に理解したうえで、専門家と相談しながら方法を検討する必要があります。
例えば、住宅全体を直ちに改修することが難しい家庭では、家族が長い時間を過ごす寝室の安全性を優先して確認することも考えられますが、その際には建物の構造上の安全性だけでなく、ベッドの位置、家具の配置、照明器具の落下防止、避難経路の確保など、室内で発生する可能性のある危険を合わせて見直すことが重要です。
ここで理解しておきたいのは、住宅の耐震化と家具の固定は、どちらか一方を実施すれば十分という関係ではないことであり、住宅の耐震性を高めることは建物そのものの被害を減らすための対策である一方、家具の固定は室内にいる人が家具や家電の転倒・落下によって負傷する危険を減らすための対策であるため、それぞれの目的を理解して組み合わせる必要があります。
では、実際に家具を固定するには、どのような方法があるのでしょうか。
本棚やタンスなどの背の高い家具では、L字金具などを使用して壁へ固定する方法がありますが、取り付ける際には壁の強度が重要であり、一般的な住宅の室内で使用される石膏ボードに短いネジを取り付けただけでは、地震による強い力に十分耐えられない場合があるため、壁の内部にある柱や間柱など、固定に適した部分を確認する必要があります。
また、家具側の取り付け部分にも十分な強度が求められ、背板が薄い家具や重量の大きい収納家具では、金具の取り付け方によって期待する固定効果が得られない可能性があることから、家具メーカーの取扱説明書を確認し、構造が分からない場合には施工会社や専門業者へ相談することが安全です。
一方、賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合には、家具と天井の間に設置するポール式の転倒防止器具が選択肢となりますが、こうした器具は天井と家具の両方に力が加わる仕組みであるため、天井の強度や家具上部の構造、取り付け可能な高さなどを確認しなければなりません。
例えば、天井の強度が不足している場所にポール式器具を取り付けた場合には、強い揺れが発生した際に十分な効果を得られない可能性があり、家具の上部が弱い構造になっている場合にも同様の問題が生じるため、器具の耐圧性能や対応寸法だけで安全性を判断せず、メーカーが指定する設置条件を守ることが重要です。
家具の固定方法としては、ポール式器具とストッパー式器具を組み合わせる方法なども知られていますが、すべての家具に同じ方法が適しているわけではなく、家具の重量や形状、床材、壁や天井の構造によって適切な対策は異なるため、使用する器具の説明書と公的機関の案内を確認しながら設置する必要があります。
家具転倒防止用品の一例として、平安伸銅工業の「UEQ-35K」があります。
平安伸銅工業の家具転倒防止ポール「UEQ-35K」は、取付高さ35〜50cmに対応する製品として案内されており、家具の上端から天井までの距離が対応範囲に入る場合には、設置候補の一つとして検討できますが、寸法が合っていることだけで安全な取り付けが保証されるわけではありません。
例えば、本棚の上端から天井までの距離が40cmであれば寸法上は対応範囲に入りますが、天井の構造や家具上部の強度、設置面の状態などによって使用条件が異なるため、購入前にメーカーの取扱説明書を確認し、必要に応じて家具の配置変更やほかの転倒防止対策と組み合わせることが大切です。
食器棚では、家具そのものの転倒と、収納している食器の落下を分けて考える必要があります。
食器棚を壁へ固定していても、地震の揺れによって扉が開けば、中に収納していたガラス製のコップや陶器のお皿が飛び出して床に散乱する可能性があり、割れた破片によって足元が危険になるだけでなく、避難時にけがをしたり、室内を移動できなくなったりすることも考えられます。
そのため、食器棚については棚本体の固定に加えて、扉が開くのを防ぐ器具やガラスの飛散を抑える対策を検討するとともに、重い食器や鍋などを高い位置に収納している場合には、できるだけ低い位置へ移すことで、落下による被害を減らす工夫も必要になります。
ただし、扉の開放防止器具を取り付けたからといって食器棚全体の転倒を防げるわけではないため、棚本体の固定、扉の開放防止、収納物の落下防止という、それぞれ異なる危険に対応する対策を区別して考えることが重要です。
冷蔵庫やテレビなどの大型家電についても、メーカーが指定する方法で転倒防止対策を進める必要があります。
冷蔵庫は重量があるため普段の生活では簡単に動きませんが、地震の揺れによって移動したり転倒したりする可能性があり、特にキッチンの出入り口付近に設置されている場合には、避難経路をふさぐ危険も考えられるため、取扱説明書を確認し、専用の固定部位や転倒防止ベルトなど、メーカーが案内する方法に従って対策を選ぶことが大切です。
また、薄型テレビはテレビ台の上で滑ったり転倒したりする危険がありますが、テレビ本体だけを固定してもテレビ台そのものが移動する場合があるため、テレビとテレビ台を別々に確認し、それぞれの仕様に合った固定方法を検討するとともに、周囲に置かれたガラス製の置物や重い装飾品などについても落下防止を考える必要があります。
上下に分かれた収納家具についても、地震の揺れによって上段部分がずれたり落下したりする可能性があるため、家具の構造に応じて上下を適切に連結する必要がありますが、専用の連結金具が用意されている製品もあることから、自己判断で取り付ける前にメーカーの説明書を確認しておきましょう。
家具固定で最も大切なのは、器具を購入しただけで安心せず、正しく設置し、定期的に状態を確認することです。
どれほど性能の高い転倒防止器具であっても、取り付ける場所の強度が不足していたり、指定された方法と異なる使い方をしていたりすれば、期待する効果を得られない可能性があるため、設置後も器具の緩みや家具の移動、天井や壁の状態などを確認し、模様替えや引っ越しをした場合には改めて安全性を見直す必要があります。
また、家具固定を進める際には、寝室や子ども部屋、玄関までの通路など、人が長い時間を過ごす場所や避難時に通る場所を優先し、背の高い家具を減らす、収納物の重心を低くする、家具が倒れても人に当たりにくい配置へ変更するなど、器具の取り付け以外の対策も合わせて進めることが重要です。
今回の防災庁の緊急要請で住宅の耐震化と家具の固定が最初に挙げられた背景には、過去の大地震で明らかになった建物と室内の危険があり、地震の発生直後に命を守るためには、救援物資や避難所の整備を待つ前に、自宅で発生する可能性のある被害を少しでも減らしておくことが欠かせません。
そして、住宅と家具の安全性を確認した後に取り組みたいのが、断水や停電、物流の停止などによって日常生活が維持できなくなった場合に備えるための、水・食料・携帯用トイレなどの家庭備蓄です。
防災庁の緊急要請を家庭でどう実践する?水・非常食・携帯用トイレ・避難経路・防災訓練から考える、命を守る5つの備え
住宅の耐震性を確認し、家具の転倒防止対策を進めることは、地震が発生した瞬間の被害を減らすために重要ですが、災害への備えはそこで終わるものではなく、建物が大きな被害を受けなかった場合でも、停電や断水、ガスの供給停止、道路の寸断、物流の混乱などによって、普段どおりの生活を続けることが難しくなる可能性があります。
2024年の能登半島地震では、道路の損壊や断水などによって被災地域の生活に大きな影響が生じましたが、こうした状況を踏まえると、災害発生後に必要な物資を購入しようと考えていても、近隣の店舗が営業できなかったり、商品が入荷しなかったりする場合があるため、家庭で一定量の生活必需品を備えておくことには大きな意味があります。
防災庁が発足初日に示した緊急要請でも、住宅の耐震化と家具固定に続いて、水や食料、携帯用トイレなどの備蓄が呼びかけられており、単に防災用品を購入するだけでなく、家族の人数や年齢、健康状態、住んでいる地域の災害リスクなどに合わせて、実際に使える備えを整えておくことが重要です。
最初に確認したいのは、飲料水を何日分備蓄しているかという点です。
家庭で備蓄する飲料水については、一般的に1人1日3リットル程度を目安として、最低3日分、できれば7日分を確保することが推奨されていますが、この数字は主に飲用や調理に必要な水を想定したものであり、トイレを流したり身体を洗ったりするための生活用水まで十分にまかなえる量ではありません。
例えば、4人家族が1人1日3リットルを使用すると仮定した場合、3日分では36リットル、7日分では84リットルが必要となるため、2リットル入りのペットボトルに換算すると、それぞれ18本、42本という数量になり、実際に家庭で保管することを考えると、購入する量だけでなく収納場所や持ち運びのしやすさについても検討する必要があります。
| 家族の人数 | 3日分の飲料水 | 7日分の飲料水 |
|---|---|---|
| 1人 | 9リットル | 21リットル |
| 2人 | 18リットル | 42リットル |
| 3人 | 27リットル | 63リットル |
| 4人 | 36リットル | 84リットル |
| 5人 | 45リットル | 105リットル |
※1人1日3リットルとして計算した目安です。
飲料水を備蓄する際には、すべてを一か所にまとめて保管するのではなく、住宅の収納状況や災害時の取り出しやすさを考えて複数の場所へ分ける方法もありますが、直射日光が当たる場所や高温になりやすい場所を避け、商品の表示に従って適切に保管することが大切です。
また、災害用として販売されている長期保存水だけでなく、普段から飲んでいるミネラルウォーターを少し多めに購入し、古いものから使用して使った分を補充する方法も取り入れれば、特別な防災用品だけに頼らず、日常生活の中で備蓄を維持しやすくなります。
ただし、乳児のミルク作りや服薬などに使用する水については、それぞれの製品や医療上の指示に適したものを選ぶ必要があり、家族全員が同じ条件で水を使用できるとは限らないことにも注意してください。
飲料水と同じように、非常食も家族の人数に合わせて必要量を計算しておくことが重要です。
例えば、4人家族が1日3食を食べる場合、3日分では36食、7日分では84食が必要になりますが、これは食事の回数だけを計算した数字であり、実際には年齢や活動量、食物アレルギー、持病による食事制限などによって必要な内容が異なるため、単に保存食を一定数購入するだけでは十分な備えにならない場合があります。
| 家族の人数 | 3日分の食事 | 7日分の食事 |
|---|---|---|
| 1人 | 9食 | 21食 |
| 2人 | 18食 | 42食 |
| 3人 | 27食 | 63食 |
| 4人 | 36食 | 84食 |
| 5人 | 45食 | 105食 |
※1人1日3食として計算した目安です。
非常食を選ぶ際には、長期間保存できることだけでなく、調理に必要な水や熱源の有無、開封後すぐに食べられるかどうか、家族が普段から食べ慣れている味かどうかなども確認する必要があり、特に停電やガスの供給停止が発生した場合には、加熱を前提とする食品だけでは食事の準備が難しくなる可能性があります。
そのため、アルファ米や缶詰、レトルト食品、栄養補助食品などを組み合わせ、加熱せずに食べられるものと、温かい食事として用意できるものをバランスよく備えておくとともに、乳幼児や高齢者など、食べられる食品に制限がある家族については、それぞれに適した食品を別途準備しておくことが望まれます。
例えば、アルファ米は比較的長期間保存できる非常食として知られており、商品によっては水やお湯を加えて調理できるため、災害時の主食として検討できますが、水を使用する場合には完成までに時間がかかることがあり、必要な水の量や調理時間、保存期間については商品ごとに確認する必要があります。
非常食の候補として、尾西食品のアルファ米12種類セットがあります。
尾西食品のアルファ米は、災害用備蓄食品として広く知られている商品の一つであり、複数の味を組み合わせたセットであれば、同じ食品ばかりが続くことを避けながら主食を準備できるという利点がありますが、セットに含まれる種類や内容量、アレルギー表示、賞味期限などは販売商品によって異なるため、購入前に詳細を確認することが大切です。
また、アルファ米を備蓄する場合には、必要な水の量を飲料水の備蓄計画にも反映させておくことが重要であり、家族全員がアルファ米を食べる予定であれば、飲用だけでなく調理用の水も必要になることから、単純に食数だけをそろえて備蓄が完成したと考えないようにしましょう。
非常食は購入した後も、賞味期限と保管状況を定期的に確認する必要があります。
例えば、5年間保存できる非常食を購入したとしても、収納棚の奥にしまったまま存在を忘れてしまえば、いざ災害が発生した際に賞味期限を大きく過ぎている可能性があり、必要な量を確保できているつもりでも、実際には食べられる食品が不足しているという事態になりかねません。
こうした問題を避けるためには、非常食の購入日や賞味期限を一覧表に記録し、年に数回確認する機会を設けるとともに、期限が近づいた食品を普段の食事で使用し、食べた分を新しく購入して補充する方法が考えられます。
また、災害時に初めて非常食を食べるのではなく、平常時に一度調理して味や食感を確かめておけば、家族が食べやすい商品を選び直すことができるほか、必要な水の量や調理時間、食器の準備などについても具体的に確認できます。
水や食料と並んで、忘れてはならないのが携帯用トイレの備蓄です。
災害によって断水が発生した場合、水道の蛇口から水が出なくなるだけでなく、住宅のトイレも普段どおりに使用できなくなる可能性がありますが、特に下水道や排水設備が損傷している場合には、水を確保できたとしても無理に流すことで別の問題を引き起こすおそれがあるため、自治体や建物の管理者などが安全を確認するまでは、排水設備の使用に注意する必要があります。
例えば、集合住宅で排水管が損傷しているにもかかわらず上階の住戸から水を流し続けた場合、下階で汚水が逆流するなどの被害が発生する可能性があるため、断水時には水を流せばよいと単純に考えるのではなく、排水設備の状況を確認し、必要に応じて携帯用トイレへ切り替えることが重要です。
携帯用トイレの必要量については、1人1日5回使用すると仮定した場合、4人家族では1日20回、3日間で60回、7日間では140回分が必要となり、人数が多い家庭ほど相当な数量になることから、購入する際には商品パッケージに記載された回数だけでなく、家族全員が何日間使用する予定なのかを具体的に計算しておきましょう。
| 家族の人数 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 15回分 | 35回分 |
| 2人 | 30回分 | 70回分 |
| 3人 | 45回分 | 105回分 |
| 4人 | 60回分 | 140回分 |
| 5人 | 75回分 | 175回分 |
※1人1日5回使用する場合の計算例です。実際の必要量は個人差があります。
携帯用トイレには、便器に袋を取り付けて使用するタイプや、凝固剤によって排泄物を処理するタイプなどがありますが、製品によって使用方法や必要な付属品、処理後の保管方法が異なるため、購入した商品を一度も確認せずに保管するのではなく、平常時に説明書を読み、家族全員が使用方法を理解しておくことが望まれます。
携帯用トイレの候補として、サンコーの非常用トイレ袋50回分があります。
非常用トイレ袋を選ぶ際には、使用回数だけでなく、凝固剤の有無、処理袋の枚数、袋の大きさ、便器への取り付け方法などを確認する必要があり、特に家族の人数が多い場合には、50回分という数量が何日分に相当するのかを計算したうえで、必要に応じて追加の備蓄を検討してください。
例えば、4人家族が1人1日5回使用する場合、50回分では単純計算で2日半に相当するため、7日分を確保するには140回分程度が必要となり、商品を複数購入する場合でも、収納場所や使用後の廃棄物の保管方法まで考えておくことが重要になります。
また、使用済みの携帯用トイレは、自治体の案内に従って適切に処理する必要があり、災害時には通常のごみ収集が停止する可能性もあるため、臭い漏れを抑える袋や一時保管するための容器などについても、家庭の状況に合わせて検討しておくと安心です。
備蓄品をそろえることと同じくらい重要なのが、自宅周辺の災害リスクを正しく把握することです。
防災庁の緊急要請では、ハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を把握しておくことも求められていますが、災害の危険性は地域によって異なり、河川の近くでは洪水、急傾斜地の周辺では土砂災害、沿岸部では津波など、それぞれ注意すべき災害の種類が異なるため、自宅がどのような場所に建っているかを確認することから始める必要があります。
例えば、自宅が洪水浸水想定区域に含まれている場合には、想定される浸水の深さや避難が必要になる条件を調べる必要がありますが、ハザードマップに示されている想定は一定の条件に基づくものであり、想定区域の外であれば絶対に被害が発生しないという意味ではないことにも注意が必要です。
また、地震による津波と大雨による洪水では避難すべき場所や避難のタイミングが異なる場合があるため、指定緊急避難場所の表示を確認する際には、その場所がどの災害に対応しているのかまで調べ、単に近くの学校や公民館を避難先として覚えておくだけで終わらせないことが大切です。
避難経路は、地図上で最も短い道を選べばよいというものではありません。
例えば、普段利用している道路が河川沿いや崖の近くを通っている場合には、災害の種類によって危険な経路となる可能性があり、また、地震によってブロック塀が倒壊したり、電柱や看板が落下したりする場合も考えられるため、実際に歩いて周囲の状況を確認し、必要に応じて複数の避難経路を検討しておくことが望まれます。
さらに、夜間や雨天時、停電時などには普段よりも移動が難しくなる可能性があるため、高齢者や小さな子どもと一緒に避難する家庭では、移動に必要な時間や階段の有無、車いすやベビーカーで通行できるかどうかなども考慮し、家族全員が無理なく避難できる方法を話し合っておく必要があります。
ハザードマップは自治体の公式サイトなどで確認できるほか、国土交通省のハザードマップポータルサイトでも地域ごとの災害リスクを調べられるため、まず自宅周辺を確認し、次に勤務先や学校、日常的に利用する施設などについても、必要に応じて調べておくとよいでしょう。
非常持ち出し品については、避難するときに本当に持ち運べる量を考えることが重要です。
防災リュックを準備する際には、水や非常食、懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー、救急用品、衛生用品などを入れることが考えられますが、必要と思われるものをすべて詰め込むと重量が大きくなり、避難時に身体への負担が増える可能性があるため、家庭で備蓄する用品と、緊急時に持ち出す用品を分けて考える必要があります。
例えば、飲料水を7日分備蓄している場合でも、そのすべてをリュックに入れて持ち運ぶことは現実的ではないため、避難時に必要な量を持ち出し用として準備し、残りは自宅での生活継続に備えて保管するなど、使用する場面に応じて備蓄品を整理することが大切です。
また、乳幼児のいる家庭ではおむつやミルク、着替えなどが必要になる場合があり、持病のある方では常用薬や医療上必要な用品、高齢者のいる家庭では眼鏡や補聴器の電池などが重要になることもあるため、市販の防災セットを購入した場合でも、家族に必要なものがすべて含まれているとは限らない点に注意してください。
防災リュックは、購入した日ではなく、実際に背負って歩いたときに初めて使いやすさを確認できます。
例えば、リュックの重量が大きすぎると階段の上り下りが難しくなったり、肩ひもが身体に合っていないと長い距離を歩く際に負担が増えたりする可能性があるため、平常時に家族それぞれが背負ってみて、持ち運びやすい重さになっているか、必要な用品をすぐに取り出せるかを確認しておくことが望まれます。
また、非常持ち出し品の保管場所についても、寝室や玄関など避難時に取り出しやすい場所を検討する必要がありますが、地震によって収納家具が倒れたり、玄関までの通路がふさがれたりする可能性もあるため、住宅の構造や家具の配置を踏まえて、無理なく取り出せる場所を選ぶことが大切です。
最後に確認したいのが、家族や地域で行う防災訓練です。
防災庁の緊急要請では、防災訓練への参加も呼びかけられていますが、訓練の目的は単に避難場所まで歩くことではなく、災害が発生した際に誰がどのように行動するのか、家族と連絡が取れない場合にはどうするのか、普段利用している道路が通行できない場合にはどの経路を選ぶのかなど、実際の災害で起こり得る問題を事前に確認することにあります。
例えば、平日の昼間に地震が発生した場合、家族が自宅、勤務先、学校など別々の場所にいる可能性があり、携帯電話の通信が混雑して連絡を取りにくくなることも考えられるため、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板などの利用方法を確認するとともに、連絡が取れない場合の集合場所や安否確認の手順についても話し合っておく必要があります。
また、地域の防災訓練に参加すれば、近隣の避難場所や防災設備の位置を確認できるだけでなく、地域でどのような支援体制が整えられているのかを知る機会にもなりますが、訓練の内容や実施時期は自治体や地域によって異なるため、自治体の広報や公式サイトなどで開催情報を確認してみてください。
防災対策は、一度にすべてを完成させなければならないものではありません。
例えば、今日できることとして寝室の家具の配置を確認し、明日は飲料水の本数を数え、週末には非常食の賞味期限を調べるというように、日常生活の中で少しずつ備えを進めていけば、費用や時間の負担を分散しながら家庭の安全性を高めることができます。
ただし、住宅の耐震性に不安がある場合や、家具の転倒によって重大な被害が発生する可能性がある場合には、単に備蓄品を増やすだけで安心せず、必要に応じて専門家へ相談するなど、命に直結する危険から優先して対策を進めることが重要です。
2026年11月2日に発足した防災庁が、最初の緊急要請で住宅の耐震化と家具固定を呼びかけたことは、災害が発生してからの救助や支援だけでなく、災害が起きる前に被害そのものを減らす取り組みが重要であることを、改めて社会全体へ示したものと考えられます。
過去の大地震で明らかになった室内被害や、能登半島地震で浮き彫りになった救援活動の難しさを踏まえると、行政の支援体制が強化されることを期待するだけでなく、家庭でも住宅と家具の安全性を確認し、水や食料、携帯用トイレなどを備え、避難場所や避難経路を調べておくことが、災害時に自分自身と大切な家族を守るための具体的な行動につながります。
そして、防災用品を購入しただけで準備を終えたと考えるのではなく、実際に使える状態になっているか、家族全員が保管場所や使用方法を理解しているか、生活環境の変化に合わせて備蓄量や避難計画を見直しているかなどを継続的に確認することで、家庭の防災対策はより実効性のあるものになります。
大切なのは、災害が起きないことを願うだけでなく、いつ発生してもおかしくないという前提に立ち、今日できることから一つずつ備えを進めていくことであり、その小さな積み重ねが、いざというときに家族の命と暮らしを守るための大きな力になるのではないでしょうか。
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