【災害に備えて覚えておきたい】ガソリンの購入・運搬・使用・保管の注意点
災害時は電気・ガスなどライフラインが止まり、物流などインフラが停止し、燃料が枯渇します。
ガソリンスタンドには長蛇の車列ができ、スーパーやホームセンターに売られているカセットガスは、すぐに売り切れます。
そのような状況に備え、防災対策として燃料の備蓄を考えたいところですが、
一般家庭で行える備蓄量や保管方法、燃料の劣化については注意が必要です。
今回は、災害時何かと注目されるガソリンの貯蓄方法などについてご紹介します。
防災備蓄
そもそもガソリン・軽油は揮発性が高い危険物です。
扱いを誤れば、大惨事に繋がります。
特にガソリンは-40℃程度で揮発するため、常に引火の危険性があります。
また、ガソリンや軽油は長期保存が難しい点に留意が必要です。
長期保存により空気と触れて酸化・劣化し、劣化したものを使用すると故障につながります。
冷暗所に保管して約半年、空気に触れる場所では3ヶ月程度で劣化するようです。
明確な使用期限が定められているわけではありませんが、ガソリン・軽油の使用期限は3〜6ヶ月が目安とされていることが多いです。
また、
2019年10月26日、総務省消防庁は京都アニメーション事件を受け、ガソリン販売に関する規制を強化する方針を明らかにしました。
クルマに給油する場合は従来どおりですが、携行缶などでの販売については、販売者への身分証明書の提示、使用目的の確認を事業者(ガソリンスタンド)に義務付けるというものです。
購入時の注意点1/購入場所
給油以外の目的でガソリンを購入する場合、ガソリンスタンドで購入することになりますが、セルフでないフルサービスのガソリンスタンドでのみ可能です。
セルフスタンドが許可されているのは、二輪車や四輪車への給油のみで、ナンバープレートが装着されていない車両への給油は禁止されています。
それと同時に携行缶などガソリンの小分け販売も禁止されています。
つまり、セルフスタンドではガソリン携行缶を持っていようが購入することはできません。
このことを知らない人は多く、知っていてもセルフで給油している人もいるようで、非常に危険なので厳禁です。
購入時の注意点2/容器
ガソリンを購入する時に必要になってくるのが金属製のガソリン携行缶です。
金属製なら何でもいいわけではなく、消防法に適合していることが最低限の条件となります。
5L、10L、20L(上限)の3つの容量が用意され、一般的に赤く塗装されていますが、
高級感のあるメッキ塗装が施されたステンレス製もあるようです。そのほか消防法に適合したジェリカンも使うことができます。
売れ筋は鋼鈑に亜鉛メッキ(防錆加工)したもので、20L缶なら3000円程度から購入できます。
消防法令で定められた安全性能基準に適合している必要があり、
適合品であればKHKマーク(危険物保安技術協会)またはUNマーク(国連規格)のいずれか、または両方が貼付されます。
灯油のポリタンクにガソリンを入れようとする人は想像以上に多いですが、消防法で禁止されているので要注意。
ガソリンはガソリンスタンドで購入しますが、2020年02月01日から「危険物の規制に関する規則」の改正により、ガソリンスタンド事業者は購入者の本人確認や使用目的の確認が義務付けられました。
また購入者の氏名・住所・販売量なども記録されます。
また、ガソリンを携行缶へ入れる作業は、ガソリンスタンドの作業員が行わなければならないと法律で規定されています。
軽油を運搬・保管する場合は、消防法令に適合した金属またはポリタンクを使用します。
軽油を車で運搬する場合、プラスチック製容器であれば30L以下、金属製容器であれば60L以下と定められています。
積極的な備蓄よりは、こまめな給油がおすすめ
ガソリン・軽油は危険物であり、長期備蓄が難しい物であるため、
燃料自体を自宅に保管しておくのではなく、
車やバイクであれば燃料が半分になったらこまめに給油し、
常にガソリンタンクの半分以上の燃料を確保しておく習慣をつけることが現実的と言えます。
発電機を定期的に使用するのであれば、燃料を多めに備蓄し、
使った分だけ補充する「ローリングストック」で備えておくのも良いでしょう。
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