🚗💧車が水没したときの対処法(永久保存版)

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――命を守る「いま・すぐ・できる」行動と、備えのすべて――

近年の線状降水帯やゲリラ豪雨では、アンダーパス(立体交差のくぼ地)や川沿いの低地で瞬時に道路が冠水するケースが増えています。車は便利ですが、水の前ではとても脆弱。だからこそ「通らない」「早く離れる」「すばやく脱出する」の3本柱が、生死を分けます。本稿では、国の公式資料とJAF(日本自動車連盟)の検証に基づき、水没時の実践手順・NG行為・事前の備えを、落ち着いて実行できるよう分かりやすくまとめました。いざというときに備えましょう!!

1|まず大原則:「冠水路は通らない」—判断の基準

  • 🚫深さは目で見て分かりません。マンホールの蓋が外れていたり、路面がえぐられていることも。特にアンダーパスは一瞬でプール化します。迷ったら引き返す、迂回する。これは最善の「対処法」です。気象庁
  • 30cmの冠水でも車は損傷・浸水の危険。JAFのテストでは、水深30cm・30km/hで走行継続はできてもボンネット内や室内に水が入り、部品脱落などのダメージが確認されています。安易な突入は禁物です。JAF(日本自動車連盟)
  • 事前の回避情報:気象庁「キキクル」の浸水・洪水の危険度分布をチェック。黄色(注意)でも低地やアンダーパスは接近しない判断が推奨されます。川の水位は国交省「川の防災情報」で確認を。気象庁

覚えておく一言:「見えない水深=見えない危険」。視界良好でも、水の中は別世界です。


2|万一、冠水に突っ込んだ・浸水が始まったら?? 

黄金の手順(6ステップ)

合言葉は「ベ・マド・コド・ソト・タカ・ツウ」
(ベ)ルト外す →(マド)を開ける →(コ)どもを先に →(ド)アではなく窓から →(ソト)へ出る →(タカ)い所へ →(ツウ)報する)

  1. 🔓シートベルトを外す(ベ)
    落ち着いて、自分→同乗者→子どもの順ではなく、子どもを抱える準備のためにまず自分の自由を確保。チャイルドシートはバックル操作を優先し、難しければカッターで切る(常備推奨)。国土交通省
  2. 🪟窓を開ける(マド)
    最優先は「窓」です。電装が生きているうちにパワーウィンドウを開ける。時間との勝負。水位が上がると窓・ドアは開きにくくなります。JAF(日本自動車連盟)
  3. 👶子どもを先に(コ)
    子ども→高齢者→同乗者→運転者の順で窓から外へ。外は流れがある場合もあるため、車体に沿ってつかまりながら姿勢を低くして移動します(流れがある場所は極めて危険。無理は禁物)。
  4. ドアではなく、窓から出る(ド)
    水圧でドアはほぼ開きません。窓が開かない場合は脱出用ハンマーで割るフロントガラス(合わせガラス)は割れません。まずサイドやリアを狙います。国土交通省 JAF(日本自動車連盟)
  5. 🏃外に出たら、とにかく高い所へ(ソト→タカ)
    車はあっという間に流されます。堤防・盛り土・階段など一段でも高い場所へ。マンホールの蓋が外れていることがあるので、足元は慎重に。
  6. ☎️安全を確保したら通報(ツウ)
    119(消防・救急)/110(警察)へ。河口・海岸部なら118(海上保安庁)も念頭に。 場所の目印(看板・橋名・緯度経度)を伝えましょう。

窓がどうしても開かない/割れない場合
車内外の水圧差が小さくなるまで水が満ちるのを待ち、ドアを少しだけ開けるという最後の手段があります。恐怖心が強い方法ですが、手順として公式資料にも記載があります。大きく息を吸って足でドアを押し、開いた瞬間に車体に沿って外へ国土交通省

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3|🛠️「窓を割る」—知っておくべき技術と落とし穴

  • 割れるのは主に“強化ガラス”(サイド・リア)。一方、フロントガラスは“合わせガラス”で、緊急脱出ハンマーでも割れません。近年は一部車種のサイドガラスも合わせガラス化自分の車のガラス仕様を事前に確認しておきましょう。国消センター
  • ハンマーの種類ポンチタイプ(先端が尖って一点集中)や金槌タイプが有効。ヘッドレスト・スマホ・鍵などの代用は割れないとJAFは検証しています。工具は“届く場所”に常備(運転席ドアポケットやサンバイザー裏など)。JAF(日本自動車連盟)
  • 割る位置ガラスの隅(角)が割れやすい。割ったら枠に手を添え、縁を使って体を引き出す。目の保護が理想ですが、現実には顔を背け、目をつぶるだけでも違います。

4|⚡EV・ハイブリッド車はどうする?

  • 🧭脱出の手順は同じです(ベルト→窓→子ども→外→高所→通報)。
  • ⚠️水が引いた後の扱いは必ずプロへ。高電圧系統を搭載するため、自分で触らない/バッテリーを外さないエンジン(モーター)をかけないことはガソリン車以上に厳守。整備工場や販売店に相談してください。国土交通省

5|🚫脱出後に“絶対してはいけない”こと(NG集)

  1. 「エンジンをかけ直す」:内部が濡れた状態での始動は破損・発火の恐れけん引/搬送を依頼し、プロの点検を受ける。国土交通省
  2. 「車内に戻る」:水は見た目以上に流速があり、再流入や感電・有害物質の危険。命優先。
  3. 「その場で長居する」:二次氾濫や放水、土砂の移動が迫ることがあります。とにかく高所へ
  4. 「EV/HVの配線や端子に触れる」絶対に触らない専門家の到着を待つ国土交通省

6|👪同乗者別・状況別のポイント

  • 🧒乳幼児・子ども先に外へ。抱えるより、胸の前で抱きかかえ、片腕はフレームをつかむ。チャイルドシートはバックル解除が最優先。だめならカッター国土交通省
  • 🧓高齢者・妊婦・足の不自由な方窓からの補助脱出を前提に二人で支える背中を押し上げる役肩を引く役
  • 🌙夜間ヘッドライトが水面で乱反射し、深さの錯覚が起こります。**足元(側溝・開いたマンホール)**に最大警戒。
  • 🌊流れがある場所:基本は車外に出ないが、やむを得ず脱出するなら車体に沿って、上流側の手で車体をつかみ、体を低く。無理は禁物。

7|🎒事前の備え(チェックリスト)~車内に固定しておこう~

◎クルマ備品

  • 🛠️緊急脱出ハンマー(ポンチ型推奨)+シートベルトカッタードアポケット/サンバイザー裏など手が届く定位置に。家族全員が「場所」と「使い方」を共有。JAF(日本自動車連盟)
  • 🪟ガラスの種類を確認(車検証や取扱説明書、メーカー資料)。サイドが合わせガラスの車は、割れない前提の避難動線(サンルーフの活用、早期の窓開放)を決めておく。国消センター
  • 🧰防災ポーチ(ホイッスル、薄手手袋、携帯ライト、簡易サバイバルブランケット、薄い滑り止め靴)。
  • 📱連絡カード(家族の連絡先、持病・アレルギー)。

◎運転前に見る情報

  • 気象庁「キキクル」(浸水/洪水)を出発前・走行中に定期確認。**黄色(注意)**でも低地・アンダーパスは避ける。気象庁
  • 国交省「川の防災情報」で近隣河川の水位をチェック。ハザードマップポータルで自宅・通勤経路の浸水想定も事前に。河川情報サイト

8|❓「それ、ほんと?」よくある誤解Q&A

Q1:パワーウィンドウはすぐ動かなくなる?
A:早ければ停止しますが、最初の“短い時間”は動く場合も。だからこそ「まっ先に窓」が鉄則です。浸水が進み電装が濡れると停止する可能性が高まります。JAF(日本自動車連盟)

Q2:フロントガラスを割れば早い?
A:不可。フロントは合わせガラス脱出ハンマーでも割れませんサイド/リア(強化ガラス)を狙います。国消センター

Q3:車が沈んだら、すぐドアをこじ開ければいい?
A:原則は窓。どうしても窓がダメな場合だけ、水位が満ちて圧差が減ってからドアを少しだけ開ける「最後の手段」。公式資料でも触れられています。国土交通省

Q4:水が引いたから、エンジンをかけても大丈夫?
A:厳禁。内部損傷や発火の恐れがあるため、けん引→点検が基本です。JAF(日本自動車連盟)


9|「その後」の手続き・衛生・保険の心得

  • 体のケア:擦過傷があれば流水で洗浄し、冷えた体は速やかに保温。泥水には化学物質・細菌が含まれることがあります。体調不良があれば医療機関へ。
  • 車の扱い写真で記録→保険会社に連絡→レッカー自己判断の始動・分解はしない。EV/HVは高電圧系統に触れない国土交通省
  • 保険:車両保険(単独事故・水災補償)の付帯有無や免責、レッカー距離などを平時に確認

10|🧭 一目で分かる行動チャート(保存推奨)

① 冠水路に差しかかった(停車可)

  • Uターン/迂回。アンダーパスは近寄らない。キキクル/川の防災情報を確認気象庁

② 冠水路に入って止まった/水が入ってきた

  • ベルト解除→窓開け→子ども先→窓から外→高所→通報
  • 窓が開かない→脱出ハンマー。ダメなら圧差解消後にドア国土交通省

③ 水が引いた


11|最後に:車は「道具」、命は「唯一無二」

水の事故は、普段どおりの判断(正常性バイアス)が思わぬ落とし穴になります。“少しの無理”が、命取り
通らない勇気早めの離脱、そして脱出の手順を体で覚えておくこと。この3つが、ご自身と大切な人を守ります。
どうかこの記事を家族で共有し、車内の定位置にハンマーを、スマホに「キキクル」や「川の防災情報」を。その準備こそ、最上の「対処法」です。JAF(日本自動車連盟)


参考にした公的情報・検証

  • 国土交通省「自動車ユーザーの皆様へ ―車両からの脱出手順について」ほか(脱出手順・EV/HVの注意点・始動禁止)国土交通省
  • JAFユーザーテスト(水没・冠水路走行・窓破砕の検証)JAF(日本自動車連盟)
  • 国民生活センター(合わせガラスはハンマーでも割れない注意喚起)国消センター
  • 気象庁「キキクル」(浸水・洪水の危険度分布)と国交省「川の防災情報」(水位閲覧)気象庁

※本記事は平時に読むためのガイドです。現場の状況・自治体や警察・消防の指示が最優先であることをご理解ください。

🔗 参考リンク(一次情報)

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