今日は救急(9.9)の日~救急と防災の間には意外なつながりが!ここで救急を知ろう!

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命を守る“最初の数分”を知る日。救急の日が私たちに教えてくれること


≪はじめに≫

9月9日は「救急の日」です。1982年、厚生省(現・厚生労働省)と日本救急医療財団が制定しました。語呂合わせの「きゅう(9)きゅう(9)」が由来ですが、実は背景には「救急医療をもっと身近に」という強い願いが込められています。

毎年この日を中心に、全国で救急医療や応急手当に関するイベントが開催されます。消防署の見学会、AED体験、心肺蘇生法の講習など、子どもから高齢者まで学べる企画が豊富です。

「救急」と聞くと、救急車や病院の医師を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし実際には、最初の数分間に市民がどう行動できるかが生死を分けることがあります。たとえば心停止をした人は、救急隊が到着するまでの平均約9分を乗り越える必要があります。この間に周囲の人が心肺蘇生AEDを使えるかで、生存率が大きく変わるのです。


第1章 救急の日の意味と歴史を深掘りします

救急の日の制定背景

  • 📅 制定:1982年(昭和57年)
  • 🏥 主導:厚生省、日本救急医療財団
  • 🎯 目的:国民に救急の重要性を周知し、応急処置を学ぶ機会を広げる

当時、交通事故や心疾患の増加、高齢化の進展で救急搬送件数は増え続けていました。
「救急車に任せきりでは助かる命も助からない」――そんな課題から誕生したのがこの日です。

救急の日は「国民全体が救急に関心を持つ」ことを目的に作られました。その背景にある社会的事情や、救急の日がどのように広がってきたかを紹介します。

救急の日が生まれた背景

1980年代、日本の救急車の出動件数は年間約300万件でした。しかし高齢化や交通事故の増加により、対応の質とスピードが大きな課題となっていました。

そこで国は「市民も救急の知識を持たなければならない」と考え、9月9日を「救急の日」と制定したのです。

📊 救急車出動件数の推移(過去30年)

 年   出動件数(万件)
1990年   350
2000年   430
2010年   540
2020年   640
2023年   710
→ わずか30年で2倍以上に増加。特に高齢化が背景にあります。

救急の日のイベント

毎年9月9日前後には、全国の消防署・自治体・医療機関がさまざまなイベントを開催しています。

  • AED体験会
  • 子ども救命教室
  • 救急車やドクターヘリの展示
  • 防災フェアと連動した救急講習

SNSでも「#救急の日」で多数の投稿が見られ、「子どもが初めて心臓マッサージを覚えた」「AEDって思ったより簡単」といった声が広がっています。

第2章 救急と防災の深い関係とは?

防災と救急は表裏一体です。地震や台風などの災害時、救急車がすぐに来られないことは珍しくありません。その場に居合わせた人の行動が、命を左右します。災害時に救急の知識がなぜ必要なのか、具体的な場面を交えて分かりやすく解説します。


1. 災害時に最も多い「ケガと病気」

災害時に多いのは「外傷」「熱中症」「感染症」です。

  • 地震 → 瓦礫やガラスでの切り傷・骨折
  • 水害 → 溺水・低体温症・感染症
  • 避難所生活 → 発熱・下痢・インフルエンザ

💡 こうした症状の多くは「応急処置の知識」で重症化を防げます。


2. 「最初の数分」の重大性

心停止した人を前に、何もせず救急車を待つのは非常に危険です。

  • 平均到着時間は 約9分
  • 1分経過ごとに救命率は 7〜10%低下
  • 3分以内にAEDを使えば生存率は 50%以上

💡 「最初の数分に何をするか」が、最大の防災行動です。


3. 救命の連鎖と市民の役割

災害時でも日常でも、救命には「連鎖」が必要です。

  1. 119番通報
  2. 一次救命処置(心肺蘇生・AED)
  3. 救急隊による処置
  4. 医療機関での治療

市民は①と②を担います。ここが途切れると、命の鎖は切れてしまいます。
💡 家族や地域で一度は「胸骨圧迫」や「AED体験」を練習しておきましょう。


4. 家でもできる「救急×防災」準備はこれ!~準備しておきたい救急セット

「防災=食料と水」というイメージが強いですが、実際には救急用品が欠かせません。

📋 家庭に準備しておきたい救急セット

💡 このセットを防災リュックに入れるだけで「防災と救急」を両立できます。


5. 家族で救急を共有する

最後に大切なのは「家族全員が救急を知っていること」。

  • AEDの場所を地図で確認
  • 子どもには遊び感覚で胸骨圧迫を練習
  • 高齢者には薬や既往症をリスト化
  • 緊急連絡先をスマホに登録

💡 家族で「もしもの時」を話し合うだけで、防災力と救急力は倍増します。


✍️ まとめ

  • 災害時に多発するのは「外傷・熱中症・感染症」
  • 最初の数分の応急処置が救命率を大きく変える
  • 救命の連鎖には市民の行動が必須
  • 防災リュックに救急セットを組み込む
  • 家族全員で救急知識を共有する

第3章 救急についての豆知識とはなんだろう??

救急の日は「命を守る学び」の日であると同時に、普段は気づかない救急の裏側を知るきっかけにもなります。ここでは、知ると意外に役立つ豆知識や裏話を紹介します。


1. 日本の救急車はなぜ無料なのか?

日本の救急車は誰でも無料で利用できます。世界的に見ると極めて珍しい制度であり、国民皆保険制度の一部として支えられています。

  • アメリカ → 利用料数万円〜数十万円
  • フランス → 消防が救急も担当
  • 日本 → 無料・平等に利用可能

ただし「軽症でもタクシー代わりに利用する」ケースが問題化しており、本当に必要な人に支障が出るリスクがあります。さらに、 救急車の到着時間は年々伸びています。背景には高齢化による要請増加と交通渋滞があるようです。

💡 平均約9分。だからこそ市民が応急処置をできるかが命を救う分かれ目になります。


2. 119番通報の理由ランキング

119番といえば火事のイメージが強いですが、実際には「急病」での要請が最も多いのです。

📊 119番通報理由ランキング

  • 急病:48%
  • 交通事故:12%
  • 転倒・外傷:8〜10%
    💡 「病気の救急」が全体の半数近くを占めるのは意外ではないでしょうか。

3. 救急車の色とデザインの理由

日本の救急車は白地に赤ラインが基本。赤は緊急を示し、白は夜間の視認性を高めるためです。

  • 欧州 → 黄色の救急車が多い(視認性重視)
  • 日本 → 白×赤で清潔感と識別性を両立

💡 救急車を見るだけで安心感を覚えるのは、この色の心理効果もあるのですね。


4. 救急の日と「重陽の節句」

9月9日は古来「重陽の節句」で長寿祈願の日でした。命を大切にする文化的背景が「救急の日」と響き合います。

  • 菊の花を愛でて長寿を祈る日
  • 現代では「救急を学ぶ日」に発展
    💡 伝統と現代医療が偶然重なり、日本らしい命を尊ぶ日となっています。

まとめ

  • 救急車が無料で使えるのは日本独自の強み
  • 到着時間は伸びており、市民の行動がますます大切
  • 119番は「病気」でかけられることが多い
  • 救急車の色や形にも意味がある
  • 救急の日は伝統行事とも結びついている

第4章 救急の日に家族みんなで学んでほしいこと

救急の日は「家族全員で命を守る力を育てる日」にもできます。大人だけでなく子どもや高齢者も一緒に学ぶことで、家庭の防災力・救急力は大きく向上します。本章では、家族で実践してほしい学びを5つ紹介します。


1. 最寄りのAEDを探してみよう

自宅や職場、学校の近くにAEDがどこにあるかを確認することから始めましょう。意外と身近な場所にあります。

  • 🏫 学校や公民館
  • 🛒 スーパーやショッピングモール
  • 🚉 駅や空港
  • 🏥 医療機関や薬局

💡 AEDマップアプリを家族のスマホに入れておくと安心です。


2. 救急セットを一緒に準備しよう

【解説文】防災リュックに救急用品を入れると安心度が大幅にアップします。家族で「これが必要だね」と話し合いながら揃えるのがおすすめ。

📋 家庭で準備すべき救急セット

  • 🩹 絆創膏・ガーゼ・包帯
  • 💊 常備薬・解熱鎮痛薬
  • 🧊 冷却シート・保冷剤
  • 🧻 三角巾・タオル
  • 📖 簡易救急マニュアル

3. CPRをみんなで体験しよう

※CPR=(心肺蘇生法)

CPRとは、心臓や呼吸が止まった人に対して行う応急処置のことです。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸を組み合わせ、救急隊が到着するまで「血液と酸素を脳や心臓に送り続ける」役割があります。


CPRの基本の流れ

人形やぬいぐるみを使って、胸骨圧迫や人工呼吸の練習をすると子どもも楽しみながら学べます。

  • ⏱ 「強く・速く・絶え間なく」を合言葉に
  • 🎵 音楽(例:100〜120拍/分の曲)に合わせてリズム練習
  • 🧒 子どもにはゲーム感覚で「押す」体験を

💡 家族で笑いながら練習することで、記憶に残ります。


4. 緊急連絡先を整理しよう

いざという時に慌てないため、家族全員のスマホに同じ緊急連絡先を登録しておきましょう。

  • 🚑 119番(救急)
  • ☎ かかりつけ医の番号
  • 🏥 最寄り病院
  • 👨‍👩‍👧 親戚や近隣の協力者

💡 紙に書いて冷蔵庫に貼ると、誰でもすぐ見られて便利です。


5. 家族会議で実際に「もしも」を話してみよう

定期的に「もし地震が来たら?」「熱中症になったら?」と話すことで、自然に対応力がつきます。

  • 📅 月1回のミニ防災会議
  • 🎒 防災リュックの中身チェック
  • 🧓 高齢者の薬や体調の共有
  • 🧒 子どもの役割分担(通報係など)

💡 話し合いをするだけで、防災と救急の意識が家庭に根づきます。


まとめ

  • 家族でAEDの場所を確認する
  • 防災リュックに救急用品を入れる
  • CPRを遊び感覚で体験する
  • 緊急連絡先を統一しておく
  • 定期的に「もしも」を話し合う

≪おわりに≫

救急の日(9月9日)は、単なる記念日ではなく「命を守る行動を考える日」です。
この記事を通じてお伝えしたかったのは、次の5つです。

  • 🚑 救急の日の意味と歴史を知ること
  • 🛡 災害と救急が切り離せない関係にあること
  • 💡 救急の豆知識や裏話を知ることで理解が深まること
  • 👨‍👩‍👧 家族全員で救急を学ぶことの大切さ
  • 📦 救急セットを防災と一体化して備えること

救急車の到着時間が伸びる中、「最初の数分」で周囲の人がどう動けるかが、生死を分けます。
その力は、専門的な医療知識がなくても「胸骨圧迫の仕方を知っている」「AEDがどこにあるか分かる」といった、ちょっとした知識と準備から始まります。

どうか今日をきっかけに、

  • 家族でAEDの場所を確認する
  • 防災リュックに救急用品を追加する
  • 子どもと一緒にCPRごっこをする
  • 近所の人と「もしもの時」について話す

といった小さな一歩を踏み出してください。
それが未来の命を守る大きな力になります。


感謝のことば

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
「救急の日」の記事を通じて、少しでも「なるほど」「今日からやってみよう」と感じていただけたら幸いです。
これからも皆さまが安心して暮らせるよう、役立つ知識を届け続けてまいります。

ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

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