停電・断水・通信遮断――南九州の台風や線状降水帯のような長引く災害では、「ちょっと高いけれど“あるかないか”で生死や体力の消耗が変わる道具」があります。今回は、プロ視点で“本当に頼れる5点”を厳選。なぜ高価なのか/どこが安心に効くのか/だいたいの価格帯まで、親しみやすく解説します。※価格は2025年9月24日時点の目安です。変動します。
第1位 大容量ポータブル電源「EcoFlow DELTA 2 Max」



要点(なぜ高価?/そなえポイント/価格)
なぜ高価? 2,048Whクラスの大容量と最大2,000W級の高出力で、冷蔵庫・電子レンジ・ドライヤーなど“家電レベル”を動かせる設計だからです。長寿命セル(LiFePO₄系)と急速充電、拡張バッテリー対応まで揃い、非常時の在宅避難の要になるので、これ1台あればかなり安心。
そなえポイント
・停電1〜2日なら“食の安全”と“情報・照明”を安定供給。冷蔵庫や電子レンジの短時間運転+こまめな節電がコツ。
・車中避難や自宅避難で、CPAP等の医療関連機器のバックアップにも(主治医と必ず相談・試運転)。
・ソーラーパネル(第2章)を組み合わせると自家発電体制に近づきます。
価格帯:セール時に約¥110,000〜¥180,000台、通常は〜¥254,100が目安。※構成・時期で大きく変動あり。サイトをよく確認する必要あり。
外部リンク:公式サイト/価格比較・販売
- EcoFlow公式「DELTA 2 Max」 EcoFlow UK
- 価格動向・販売例(Yahoo!ショッピング) Yahoo!ショッピング
第2位 両面受光ソーラーパネル「EcoFlow 220W」

要点(なぜ高価?/そなえポイント/価格)
なぜ高価? 裏面でも反射光を拾う両面受光で、条件次第では発電量が最大+25%(メーカー公式)。停電が長びいても、電源を“使い切って終わり”にしないための保険になります。IP68防塵防水で屋外設置に強いのもポイント。
そなえポイント
・ベランダ・庭・車上に午前/午後の角度を変えつつ設置。影やガラス越しは発電が落ちます。
・第1章のポータブル電源にMC4等で接続し、日中に“貯める→夜に使う”のサイクルを確立。
価格帯:約¥45,000〜¥69,300(片面Gen2〜両面受光)。
外部リンク:公式サイト
- EcoFlow「220W両面受光ソーラーパネル」 EcoFlow Japan
- EcoFlow「220W片面ソーラーパネルGen2」 EcoFlow Japan
第3位 高性能浄水器「MSR Guardian(ガーディアン)」

要点(なぜ高価?/そなえポイント/価格)
なぜ高価? ウイルスレベルまでを対象にした“浄水ではなく除去(Purifier)”系。泥・濁りや細菌が混じる非常時の水を短時間で安全域へ近づけるための“最後の砦”。キャンプ用の簡易フィルターより高額ですが、性能が段違いです。
そなえポイント
・断水時は生活用水(風呂水・雨水)+飲用の“線引き”が重要。飲用はガーディアンで確保、生活用水は別管理。
・フィールドで実地練習を。初使用が本番だと詰まり対応やフラッシングで手間取ります。
価格帯:¥72,600(税込)前後(正規)。販売店では7万円台の表示が目安。
外部リンク:公式・販売
- MSR公式(日本総代理:モチヅキ)「浄水器ラインアップ/Guardian」 MOCHIZUKI OUTDOOR
- 楽天の販売価格例(ガーディアン) 楽天市場
第4位 衛星メッセンジャー「Garmin inReach Mini 2」

要点(なぜ高価?/そなえポイント/価格)
なぜ高価? 携帯圏外でも衛星通信(Iridium)で双方向メッセージ&インタラクティブSOSが可能。“もしも”通信が途絶した地域でも家族・救助要請の糸を切らない装備。平時は登山・離島旅の安心にも。※利用にサブスク契約が必須。
そなえポイント
・事前にプラン契約・送受信テスト・緊急連絡先登録を済ませ、家族側にも受け取り方を共有。
・スマホのGarminアプリと連携し、定型文を用意しておくと衛星送信の消費を抑えられます。
価格帯:本体約¥48,000〜¥60,000前後+月額(年契約/フレックスなど)。※相場は時期で上下。
外部リンク:公式・販売
- Garmin日本公式「inReach Mini 2」 Garmin Japan
- Amazon販売ページ例(inReach Mini 2) アマゾン
第5位 マンション・高所向け「避難はしご(ORIROなど)」

要点(なぜ高価?/そなえポイント/価格)
なぜ高価? “降りる手段”は代替がないから。ベランダ伝い・エレベーター・共用階段が使えない火災時、窓から安全に脱出できる“確率”を引き上げます。適用高さや固定方法で規格と品質管理が厳格=価格が上がりがち。
そなえポイント
・設置可否(梁や手すり強度・適用高さ)を事前に確認。年1回は降下動作のシミュレーションを。
・保管場所は窓近くのすぐ出せる位置。家族全員が掛け方・降り方を共有しておきましょう。
価格帯:仕様・長さにより幅広く約¥20,000〜¥60,000超。普及品の販売例は2万円台〜が目安。
外部リンク:公式・販売
- ORIRO公式「避難はしご(製品情報・適用高さなど)」 ORIRO
- 防災館(販売カテゴリ例) あんしんの殿堂 防災館
・・・(気持ちの持ち方と買い方のコツ)・・・
「高い買い物」ほど、“使い倒せる日常利用”をセットで考えると元が取れます。ポータブル電源は節電のピークカットや屋外イベントに、ソーラーパネルはベランダ発電の試行に、inReachは山歩き・離島旅行の安心に。浄水器はアウトドアやキャンプでの練習を。避難はしごは年1回の“家族訓練”を行い、いざというときの心理的ハードルを下げておきましょう。
これらの5点は、どれも「ないと詰む」に近い領域を埋めてくれる道具たち。買って終わりにせず、日常で触れて、家族と共有する――それが“命を守る”へ最短でつながります。
重要な注意
- 屋内でのエンジン発電機使用は厳禁(CO中毒・火災)。今回は静音・無臭で屋内でも使えるポータブル電源+太陽光を主に紹介しています。
- 価格は随時変動します。必ずリンク先の最新価格・在庫をご確認ください(本記事の価格記載は参考価格です)。
最後に――備えは「消費」ではなく、あなたと家族の時間と安心を増やす“投資”です。
今回の5点は、音も匂いも少なく室内で扱える静けさ、濁りを澄ませる清潔さ、過負荷に耐える堅牢さ、そして“いざ”に即応できる操作性という、上質な道具の条件を満たすものだけを選びました。
一台のポータブル電源は冷蔵庫の中身と日常のリズムを守り、両面受光のパネルは限られた日照を味方に変えます。浄水器は濁り水を命の水に、衛星メッセージは圏外でも声を届け、避難はしごは最後の出口を残す――
どれも「高い理由」は、あなたの迷いを一つずつ減らすための設計にあります。買って満足で終わらせず、日常で“使い倒す”ことを前提にしてください。
電源は週末のベランダ発電やキャンプで慣らし、浄水器は公園の水辺で流量と手順を確認。衛星メッセは定型文と連絡先を家族で共有し、避難はしごは年1回、空荷で掛け方と動線をシミュレーション。収納場所は全員が分かる位置にまとめ、手書きの「使い方メモ」を添えておくと、非常時の判断が端正になります。
高級とは金額のことではありません。
暗い夜に一拍の余裕を生み、家族の表情を落ち着かせる“余白”のこと。
今日、ひとつだけでも前へ――コンセントの一口、クローゼットの一段、メモの一行から始めましょう。
次に空が荒れる日、あなたの家は静かに強く、美しく備わっているはずです。。。
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